美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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●後期始業式にあたって
美工作品展を終えて,今日から後期となりました。
かつて経験してことのない新型コロナウィルス感染症への対応から,異例づくめの前期の学校生活でしたが,皆さんは学校からの呼びかけをしっかり受けとめ,学習や制作によく努力しました。立派でした。その締めくくりとして素晴らしい美工作品展が開催できました。
リニューアルされた立派な京都市京セラ美術館で開催した作品展には,5日間でのべ約4100人の方にご来場いただきました。270名の美術高校の作品展に,これほどたくさんの方にご来場いただき作品を見ていただけたことはたいへんありがたいことで,感謝しなければなりません。
来場された方は,2ヶ月間の臨時休業があったにもかかわらず,このように素晴らしい作品を発表したことを褒めていただき,高校生の感性,表現力に感動したという感想をたくさんいただきました。
私は,全員というわけにはいきませんでしたが,何人かの生徒の皆さんと話をすることができ,作品のコンセプトや苦労,先輩の作品を見た感想や,高校卒業後の目標など聞かせてもらいました。10代後半の皆さんの考えや思いに触れ,それぞれしっかり物事を考えていることにあらためて,さすが銅駝の生徒だ,と思いました。銅駝に入学しようと思ったのはなぜか,と何人かに尋ねました。きっかけがこの作品展であったという人がいました。銅駝はずっとあこがれであったと話してくれた人が,入学してからもあこがれがあると話してくれたのが印象的でした。やはり,周りの人の作品,先輩の作品を見て,銅駝へ入学という目標を果たせた今も,まわりにあこがれをもって自らの高校生活において熱い思いをもってくれていることに嬉しく思いました。。
卒業生にも後輩の作品を見てどう思うか,と尋ねました。皆の作品はすごい,と口々に言いました。そして,卒業した後も,美工作品展に来て高校生の作品を見て刺激を受けないと自分がダメになると言う先輩もいました。実は卒業生の保護者の方もたくさん来ていただいていました。卒業生と一緒ではなく,保護者だけでの来場でした。自分の子どもの作品展ではないのに,美工作品展には足を運んでいただける。皆さんが創り出した作品が,他の人の心を動かし変化させたり,人をひきつけつながりを増やしていく。芸術は本当に尊いものだと思います。
作品はやはり人そのものだと思います。だから,作品を制作することは美術専門の授業だけで成立しているのではありません,普通教科の科目,特別活動,そういうものを全部含めた銅駝での高校生活,もっと正確に言えば,銅駝の高校生活も含めた,皆さんの日常の生活から生み出されているのだと思います。そういう風に思えば,新型コロナウィルス感染症のために,作品制作が不十分だとか,何かが足らないというのではなく,今年の作品は,「with コロナ」という特別な日常の中で創り出されたかけがえのない作品であったということです。
いずれにしても美工作品展は,前期までのひとつの到達点です。前期の課題や反省点に下を向くことなく,これからの自分の火種,着火剤として後期をスタートしてください。2020年度後期,私も皆さんと一緒に,一日一日大切に過したいと思っています。
2020年10月14日 後期始業式
校長 吉田 功