美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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新年おめでとうございます。
昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、例年とは異なった新年の風景となりました。新型コロナの相談窓口や、関係機関、医療現場では、多くの方々に年末年始も昼夜を分かたず命を守る対応をしていただいています。ありがとうございます。
2020年度の始まりは、感染予防対策を徹底しながらの入学式、そして各教室で放送による始業式でした。翌日からの長い臨時休業で、270名の生徒と教職員が一同に会し、対面し、言葉をかけ、互いの思いや息づかいを感じながら教育活動を始めることができませんでした。以前、始業式で、学校は単なる“入れもの”ではなく“生きもの”だと話しました。鼓動があり、息づかいがあり、体温があり、そして表情があって、変化がある。どうすれば、臨時休業の学校が“生きもの”になれるのか、その葛藤の中で、教職員が知恵と力を出し合い、できることを見つけて、とにかく一つ一つやっていこうと動きました。生徒や保護者の皆様の理解と協力を得ながら、オンラインの授業や面談、ホームルームなど銅駝ならではのやり方で進めてきたことは、学校再開後、制約がありながらも対面の教育活動を行う大きな基盤になりました。
生徒の学び、成長の場である5月の体育祭や6月の文化祭も中止せざるを得なくなったのは断腸の思いでした。しかし、生徒は厳しい現実を受け入れつつ、皆で何か一緒に取り組みたい、一緒にがんばりたいという気持ちを持ち続け、生徒会のオリジナルトートバッグ制作や、3年生のオリジナルTシャツの制作、学年球技大会を実現しました。そして年度当初から授業計画を変更せざるを得なくなった状況の中で、お互い励まし合い力を尽くして作品制作をし、京都市京セラ美術館で開催した美工作品展に立派に作品を展示することができました。
経済学者の玄田有史氏は著書『希望のつくりかた』の中で、夢と希望とは違う、「希望」は“Hope is a Wish for Something to Come true”「行動によって何かを実現しようとする気持ち」だと述べています。そして社会学者の門脇厚司氏の意見も採り入れて、個人の希望を越えて、社会の希望のためには“by Action Each Other”「他の人と一緒に」にも加えた方が良いと書かれています。新型コロナウイルス感染症という難しい問題に全世界の人々が立ち向かっている中、銅駝の生徒も「希望を創る」行動をすでに始めています。
新型コロナウイルス感染症の拡大傾向が続いており、年が改まってもしばらく、様々な感染防止の対策を行いながらの日常が続いて行くことと思います。しかし、多くの人がコロナの終息を願いつつ、今年はこうありたい、こんなことをしたい、と願いや希望を立てています。他者の思いとつながりながら弛まぬ行動を続け、希望を創っていく年にしたいと思います。
「学校は希望を創るところ」。本校も創立141年目を迎え、力強い鼓動とたしかな息づかい、そして豊かな表情のある学校として教育活動に取り組んでまいりたいと考えております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2021年1月4日
校長 吉田 功