美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
〒604-0902 京都市中京区土手町通竹屋町下る鉾田町542[MAPを見る]
TEL. 075-211-4984 FAX. 075-211-8994
桜花爛漫の中、平成28年度が始まりました。4月8日には新入生を迎え、新年度の学校生活が始まります。新年度にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。
本校は明治13年(1880)年に、日本最初の美術学校「京都府画学校」として創立し、今年度で136年目、日吉ケ丘高等学校美術コースから現在の校地に独立開校して36年目となります。尋常小学校、銅駝中学校の跡地に開校した本校の校舎は、アールデコ様式の重厚で趣のある建物で、本館の廊下や、教室は板張りです。毎年、春季休業中には油引きを行いますので、その直後は独特の匂いがしますが、新学期が始まるころには、それもおさまり、柔らかく光る、艶のある姿になります。廊下や床を歩けば、板張りならではの音がして少々軋むこともありますが、不思議と耳障りではなく、温かみと深みのある余韻が残ります。その余韻は、この廊下、教室を油引きを重ねながら大切に使われてきた学び舎の歴史とともに、児童、生徒、教職員で取り組まれてきた教育の営みの歴史を想いおこさせます。もちろん本校の教育活動は、保護者や卒業生、地域や団体、教育機関、市民のご理解とご支援をいただいてこそ今まで継続してくることができました。あらためて感謝申し上げます。
国の教育改革においては、この3月末に高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体改革として検討されてきた「高大接続システム改革」の最終報告が発表されました。その中では、教育課程の見直し、学習指導方法の改善、教員の指導力の向上、多面的評価の充実、高等学校基礎学力テスト(仮称)の導入や、大学入学者選抜の改革、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の導入が示されています。また、アクティブ・ラーニング、ICT機器の活用、グローバル化への対応など社会情勢を踏まえた諸課題について積極的推進が求められているところです。
本校では、京都市教育委員会の支援のもと、平成26年度に校内WiFi環境の整備、タブレット端末としてiPadを導入し、授業・学習指導方法の改革に取り組んでまいりました。そして平成28年度入学生からは、保護者のご理解を得てiPadを全員購入していただき、生徒自身のタブレットを教具として校内に持ち込む(BYOD=Bring Your Own Device)環境で教育活動を進めることにいたしました。ICT機器を積極的に活用しながら、一方でICT機器だけに振り回されない豊かな授業、効果のある丁寧な指導を、2年生、3年生も含めて進めてまいります。そして歴史と伝統を踏まえ地域との接点を大切にしながら、グローバルな視点で芸術を学ぶ取り組みも進めてまいります。また、障害者に対する「合理的配慮の実施」が明確にされた障害者差別解消法が、4月1日に施行されました。これまでから総合育成支援教育について取り組んでまいりましたが、これを機に研修を深め、学校体制をさらに整備しながら、困りを抱えた生徒への丁寧な指導、支援を進めてまいります。
平成16年度(2004)年に1科8専攻の美術工芸科への改編という学校改革をして12年が過ぎ、その総括を踏まえ、平成27年度には、これからの本校の在り方を検討しその将来構想をまとめました。歴史と伝統のある美術高校として、未来に向けてさらに飛躍、発展していくために、平成28年度を新しいステージに向かう「改革元年」として、教育活動に力を尽くしてまいります。本校教育に、今後ともご理解、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
平成28年(2016)4月1日 校長 吉田 功