美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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今週は、漫画編集者の立場から漫画の制作現場や編集者の役割について学ぶため,京都精華大学、マンガプロデュース学科の三河かおり先生を講師にお招きし,「漫画家と一緒に作品を≪創る≫仕事」をテーマに講演とワークショップを行っていただきました。
まず漫画編集者の役割として,漫画家の才能を商品としてその魅力が伝わる形に整えること,読者に「買いたい」と思わせる商品を作ることの2つの役割があることを説明されました。作品を面白くするために,企画や取材・資料集め,ネームのチェックや漫画家との打合せを重ね,最終的に掲載可能がどうかのジャッジをします。また作品を読者にアピールするための仕事として,コンセプトとパッケージ作り,メディア(雑誌)の運営,コミックスの編纂,宣伝・広報など多岐にわたる業務があることをお話しいただきました。そして,三河先生が「のだめカンタービレ」の編集者として漫画家の二ノ宮知子さんとともに作品を作り上げていく上でのエピソードを聞かせていただきました。
次に,漫画編集者の体験ワークショップとして,未完成のネームをどのように改善すれば面白い作品に仕上がるかを各自が考え,グループごとに意見交換を行いました。三河先生から1つの改善策として改善後のネームを配られると,改善すべき点が当たっていた生徒からは大きな歓声が上がりました。
授業を終えた生徒たちは,「漫画を創るには漫画家さんと編集者の信頼関係が大切なのだと思いました。漫画家さんの才能と良さをつぶさないように,よりその良さが伝わるように整えるのが編集者の仕事だと知りました。漫画家だけでなく,いろんな人が関わることで初めて1つの作品として世に出されることを知りました。作品を世に出すには大変なのだなと思いました。」「編集者の存在ってすごく大きいものだなと感じました。ネームの改善前と後の比較では,ストーリー展開は同じでも,視点やメインを掛け合わせていくだけで読みやすく筋の通った話になった。私はこれまで,一度構想して描いた後だとやり直すのも大変だし面倒だと考え,微妙でもそのまま進めることが多かったけど,今回の授業で見直して改善することがいかに大切かを学びました。」「のだめカンタービレのドラマが大好きだったので,マングースの誕生秘話などの話が聞けて面白かった。ネームがどのように改善され完成していくかを詳しく学べて楽しい授業だった。漫画家が全てやっていると思っていたけど,編集者という中間者がいるおかけで成り立っているんだと分かった。今,世に出ている人気漫画なども,こうしたたくさんの人による作業工程を経て,たくさんの努力があって今にあるんだと分かり,こういう仕事もいいなと思いました。」などと感想を述べていました。
授業後,先生を囲んで熱心に質問する生徒もいました。将来,漫画やアニメーション制作に携わりたいという進路希望をもつ生徒も多く,とても興味深くワクワクする話を聞かせていただきました。
本日の授業で学んだことや触発されたことを今後の制作活動や進路選択に活かしてくれることを期待します。
お世話になりました三河かおり先生,本当にありがとうございました