美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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今日から連休です。
ゴールデンウィークという休暇ははいつもと違う計画を立て、「非日常」を楽しむ数日間というのが当たり前でしたが、今年は、もっと前から「非日常」が始まり、その「非日常」が「日常」になって数週間経ちました。昨日、新型コロナウィルス感染症対策の専門家会議は、3密を避ける様々な自粛を基本とする特別な対応を続ける必要があると提言しました。その特別な「日常」を今持続することが,そもそもの「日常」を取り戻すことにつながるということです。
「休暇」と「休業」、一文字違うだけで、意味も現実も大きな隔たりがあります。今年の春、1年生は厳しい入試選抜に見事合格をし、夢や希望をもって銅駝の高校生活を期待して入学してきてくれました。新しい教科書、新しい仲間、新しい通学ルート,みんなと同じ制服から自由服で過す高校生活の始まり。2年生は、1年生の時にずいぶん悩んで決めた専攻の実習が始まる、高校生活真ん中の学年。クラスという枠組みと先輩ともつながる専攻という枠組みの中で発見や刺激の日々を楽しみにしていたと思います。3年生は、銅駝の生活の集大成の年、進路実現に向けて本格的に取り組むと共に専攻の実習、美工作品展、学校行事など、悔いなきように思う存分頑張ろうと志を高くもって迎えた新年度。そんな皆さんの思いを教職員はずっしりとした重みをもって受けとめています。他の学校も同様だと思いますが、銅駝は、銅駝の教職員の思いと力を結集し、銅駝らしいアイデアや方策、機能を使ってこの臨時休業期間中に皆さんに対してできることを精一杯取り組み続けています。学校ホームページやClassiの機能を使い様々な連絡を行いながら,Zoomをつかったクラス面談も行ってきました。5月11日からはZoomを使ったオンライン授業を始めるため、その準備を進めているところです。
京都市立学校は臨時休業を5月17日まで延長することとなりましたが、政府は専門家会議の判断をふまえて、緊急事態宣言を1ヶ月程度延長する方針を固めたようで、京都市立学校の臨時休業期間もさらに延長される可能性もあります。学校としては、いろいろなケースを想定して、臨時休業期間中の学習保障、生徒支援、教育活動再開後の教育活動の進め方を検討し続けています。皆さんの思いを中心において、皆さんとつながりながら日々学校を動かしています。
昨日(5月1日)、限定公開のYouTubeに2回目の校長メッセージをアップしました。見てくれたでしょうか。谷川俊太郎さんの「明日」という詩を紹介しながらお話をしました。
「ひとつの小さな約束があるといい 明日に向かって」「ひとつの小さな予言があるといい 明日を信じて」「ひとつの小さな願いがあるといい 明日を想って」「ひとつの小さな夢があるといい 明日のために」 そのように語りながら,後半に「だが明日は明日のままでは いつまでもひとつの幻 明日は今日になってこそ 生きることができる」と続きます。最後に「この今日のうちにすでに明日はひそんでいる」という締めくくり。一日先の未来である明日を今日として生きるためには、今日という日をどう生きるかということがとても重要であり、それが明日へとつながっている。そのように私は鑑賞しました。
新型コロナウィルスという難しい強敵を前に、社会の人々みんなが精一杯,対峙しています。感染症にかかって闘っている人、その患者さんを救うために精一杯治療、看護している人、自粛の中で私たちの生活を支えるために品物をつくる人、販売する人、運送する人、仕事ができなくなってこれから先の生活のことを必死に考えている人、心と体に安らぎとエネルギーを与えてくれる身近な人、アーティスト。とても言い尽くせませんが、その人々が今日という日を精一杯生きている,頑張っているそのことで、私も今日生きることができている、あらためてそう思います。そして私が今日という日をしっかり過すことが、誰かの今日を支えることにつながっているのだろうと。
かつて経験しなかったこれほどの大きな課題。終息する時には、以前と全く同じ日常に戻っていないかもしれませんが、明日を迎えるために,明日を想いながら,精一杯今日を生きる、私たちが今そのことを重ねていったならば、以前よりももっと力強い社会になっているのではないかと思います。
今日を大切に生きる。 明日のために、未来のために。
5月2日
校長 吉田 功