「なりたい自分」を探し、深める!
普通科・教育みらい科
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280名の新入生の皆さん,入学おめでとうございます。
塔南高校の校歌の中には,創立以来半世紀にわたり,本校が大切に守り続けてきた3つの言葉があります。それは,「知性」「誠実」「世界の文化」という言葉です。この3つの言葉は,創立以来一貫して塔南高校の教育の根幹をなしてきました。
1つ目の「知性」は,なぜ人は学ぶ必要があるのかという問いに答えるものです。人は,豊かで高度な文化を学ぶことにより,自らの能力を高めて現在の自分を超えることができます。そして,そのような人が集まることによって社会は新しい文化を創造していくことができるのです。人は学ぶことにより知性を磨き,そのことによって人は成長し,社会の発展が可能になります。
2つ目の「誠実」は,自分に対して誠実であれ,他人に対して誠実であれ,という皆さんの生きる姿勢を示したものです。私たちは,時として自分勝手な思い込みをしたり,自分勝手な行動をしたりして自らの心を貧しくし,他人に迷惑をかけたりすることがあります。「誠実」とは,これらを戒め,規律を守り誠実に生きることにより,集団生活を営む私たち一人ひとりの幸福を守ろうとするものです。
3つ目の「世界の文化」は,皆さんに世界の文化の発展に貢献できるような立派な人になってほしいという願いとともに,日本の文化,とりわけ京都の文化を世界に発信できる人材になってほしいとの願いを込めた言葉です。
原点に帰れという言葉がありますが,これからの学校のあり方を考える上で,生徒と教員がともに新しい学校の歴史を作り出そうとしていた当時のはつらつとした姿が感じられます。半世紀にわたる歴史の中で,京都市教育長の在田正秀さん,本校の学術顧問にご就任いただきました北川進先生(京都大学教授)をはじめ,たくさんの優秀な卒業生を輩出して参りました。今後も,「知性を備え,誠実に生き,世界の文化の発展に貢献できる立派な人」を育成するという建学の精神をしっかりと守りつつ,新しい時代にふさわしい学校づくりを推進してまいりたいと考えています。
さて、これから高校生活を送る新入生の皆さんに3つのお願いがあります。
1つ目は「学ぶ者の謙虚さを持って行動すること」です。学校は勉強をする所です。学ぶ者としての作法を守ってください。「遅刻をしない」「挨拶をきちんとする」「正しい服装」「正しい言葉遣い」は学ぶ者の作法として厳しく指導します。また,学校には,ここにいる皆さん全てが安全に学校生活を送るために守るべきルールがあります。それをしっかりと守ってください。状況を見て,しなければならないこと,してはならないことの判断ができるようになってください。
2つ目は「夢を持つ」ことです。皆さんがこれから目指す道は,一人ひとり違うはずです。将来の夢に向かって信念をもって努力してほしいと思います。夢を持てば,目標が生まれます。目標があれば,一日一日が意味あるものとして,精一杯努力することができます。私たち教職員は,君たちの夢の実現を全力でサポートします。
3つ目は、「主体的に生きる」ことです。単に差し出されたものを受け取る姿勢ではなく,自ら動いて事をなす姿勢を常に持ち続けてください。失敗を恐れずに果敢にチャレンジすることが,これからの社会を生きていくために必要な資質です。精一杯背伸びして,挑戦してください。
保護者の皆様におかれましては,お子様のご入学誠におめでとうございます。高校3年間は,人生の方向を決定する大事な時期です。私たち教職員は,お子様が自ら生きる道を切り拓いていけるよう,全力を尽くしてまいります。お子様の健全な成長を望み,豊かな個性を育てていくためには,学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながら,相互に補完しあい,連携を密にしていくことが重要であると存じます。学校の方針をご理解いただき,ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
新入生280名の皆さんが「学ぶ者の謙虚さを持って行動」し,「夢を持って」取り組み,「主体的に生きる」ことができるように成長しますことを,心から期待します。
平成28年4月7日
京都市立塔南高等学校長 古池 強志