「なりたい自分」を探し、深める!
普通科・教育みらい科
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12月20日(水)11時50分から,本校グラウンドにおいて,2学期終業式を行いました。晴天のもと,風もない絶好のコンディションで,寒さも若干凌ぎやすかったように感じました。
冒頭の挨拶で,このようなことを話しました。
2学期の終業式に当たって,お話ししたいことの一つ目は,宝が池にある国立京都国際会館で12月10日に行われた「地球環境京都会議2017」に関連した話題です。
「京都議定書」,皆さんは聞いたことがありますか?
皆さんが生まれる前,平成9年,1997年12月に,温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「第3回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP3)」が国立京都国際会館で行われ,『京都議定書』が採択されました。
その後継となる国際的な取り決めとして,一昨年,2015年12月にCOP21で合意されたのが,2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」です。パリ協定の細かい内容はここでは省きますが,途上国も含めた多くの国が参加したものであり,気温上昇を2度未満に抑制するために化石燃料を使わないことを目指す人類史上初の国際ルールであることから,この協定は「人類近代史を大きく変えることになるものだ」と高く評価されています。
そういった流れの中で,「京都議定書」誕生20周年を記念して行われたのが,地球環境京都会議です。
その基調講演の中で,京都大学名誉教授の加藤尚武先生が,画家の伊藤若冲や栂尾の明恵上人,ローマ法王,老子等の思想を紹介しながら,「聖人の世には棄材なく棄物なし」という言葉を紹介され,「ものをすてない,人をすてない」という思想と「ゼロエミッション」(これは,環境を汚染したり気候を混乱させたりする廃棄物を捨てないようにすることです)をつなげながらお話になりました。「うまいことつなげはるなあ」と思いながら聴いていたのですが,こういった京都の文化的伝統や東洋の思想に今後に向けての大きなヒントがあるように思いました。
18世紀後半頃から人類は石炭や石油などを大量に消費するようになり,大気中の二酸化炭素の量は産業革命前と比べ約40%も増加したと言われています。
長い地球の歴史の中で,このごくわずかな期間に温室効果ガスが増え続けているわけです。今後,気候変動が起こると,さまざまな方面で甚大な影響が出ると言われています。
ニュースで,「脱炭素社会」「ゼロエミッション」に向けての動きがいろいろと報じられていますが,かけがえのない地球に今後とも人類を含むすべての生物が安心して住み続けることができるよう,一人一人が意識と行動を変えていく必要があります。皆さんや皆さんのご家族の,身近なところからの取組の積み重ねが大切です。
たとえば,ごみの分別を徹底する,節電をする,食品ロスをなくす,など,生活の中でできるかぎり資源やエネルギーの無駄使いを排除し,再利用やリサイクルを推進していくことが,循環型社会を構築し地球温暖化を防止する基本となります。
大きな話をしているように聞こえるかもしれませんが,「私から」意識と行動を変えていくことが今求められています。ぜひ,今日から取り組んでください。
二つ目は,これまでの始業式や終業式のあいさつで言ってきたことをもう一度お伝えしたいと思います。覚えていますか?
「人生にリハーサルはない」
「一生懸命だと知恵が出る/中途半端だと愚痴が出る/
いい加減だと言い訳ばかり/本気でするから大抵のことはできる/
本気でするから何でも面白い」
といった言葉を紹介し,「一日一日を大切に,地道な『本気の努力』を積み重ねよう」と言いました。
“未来の自分”の可能性を自らの手で狭めることのないよう,なりたい自分・あるべき自分の姿を思い描きながら,限界を設けることなく,最後の最後まで頑張って,それぞれが目指す進路をつかみ取ってください。
また,3年生ですでに進路が決まっている人は,「次に向けての助走」を始め,その分野に関する基本的な知識や情報を吸収し始めたり,分野を限らず教養を深めたりしてください。
最後に,現在,インフルエンザが流行期を迎えています。寒い日が続いていますので,体調には十分留意してください。
それでは,どの学年も,今後とも一人一人の個性や善さを活かしながら大いに活躍されることを期待して,終業式の挨拶を終わります。