〒604-8161 京都市中京区烏丸通三条下ル饅頭屋町595-3 大同生命京都ビル7階
TEL. 075‐222‐3767(学校指導課)
11月12日(土)14時から16時まで、京都大学吉田南構内の総合人間学部棟にて、「京大研修2022」(主催:京都市教育委員会 協力:京都大学)を開催しました。
この取組は、京都大学と京都市教育委員会との「高大連携協定」に基づく事業として、京都市立高校で学ぶ第1・第2学年の生徒を対象に行っているものです。
平成28年度から令和3年度まで(令和2年度はコロナ禍のため中止)は連携指定校3校(堀川、西京、紫野)のみを対象として行ってまいりましたが、今年度からは京都市立高校全校を対象として募集したところ、7校から希望生徒約220人が参加しました。
生徒たちは、開会行事(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者が分科会場から移動せず、各会場に映像を配信する形で実施しました)の後、8つの分科会ごとに講義や質疑応答、交流等を行い、その後、再び各会場をつないで分科会での協議内容や気づき・学びを代表生徒が発表して共有・交流する「全体会」で締めくくるという流れで進めました。
[分科会について]
講師は、京都大学大学院に在籍する「学びコーディネーター」や市立高校卒業生といった、若手研究者の皆さんです。講演のテーマは、「生物が光る!? ~目で見えない遺伝子の機能を光で観察しよう!~」「生物×有機化学で生命の仕組みを理解する」「国はどのように変わるのか? ~資本主義と国家について~」「『芸術』への対抗? ~「民藝品」とは~」「iPS細胞がもたらす未来の医療」「この世界は何でできている? ~素粒子物理学入門~」「データの形を利用した類似度の計算」「ヒトの注意(attention)に関する認知心理学研究」(順不同)と、興味深いものばかりです。専門性の高い内容でしたが、どの分科会でも高校生にわかりやすく伝える工夫を凝らしてくださったため、研究の面白さや奥深さを実感することができたようです。また、1会場当たり12人から45人という比較的少人数の空間の中で、質疑応答・対話や交流の時間も十分とってくださいましたので、生徒たちには、大学・大学院での学生生活や研究内容等についてイメージをつかむ良い機会になったとともに、他の生徒の質問の着眼点や抱く感想の多様性に大いに刺激を受けていました。高校生の時にやっておくべきことのアドバイスをくださる講師の方も多く、生徒たちは新たな挑戦への着火剤をもらったようでした。
[参加生徒の感想](一部)
・話の中で今までに学習したこととのつながりを感じられる部分があったので、今やっている基礎的な学習をしっかり頑張っていきたいと思いました。
・とてもおもしろかったです。大学の雰囲気も研究の内容も、どちらも知ることができました。
・他校の人と同じ空間で学ぶ機会は少ないので、刺激になりました。
・とても難しい話でしたが、面白かったです。将来的な研究の内容などを知ることができ、自身の将来へのイメージをある程度持てました。
[結びに]
終わりの全体会が終了し、解散した後も、講師に質問したり、他校の生徒と話し合ったりする熱心な姿が各会場内外で見られました。
コロナ禍で制限が多い中ですが、このような取組を対面で開催することができ、貴重な経験となりました。この取組が参加生徒たちの今後の学びに良い影響を持続的にもたらす契機になりましたら幸いです。さらには、各校において同学年や他の学年の生徒たちにも、「学びの楽しさや面白さ」に気づき「一歩踏み出してみよう」と思う広がりが生じることも期待しております。
開催に当たりご尽力くださいました京都大学教育推進・学生支援部入試企画課の皆様、学びコーディネーターや卒業生の皆様、参加校の先生方、誠にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
[写真]
1枚目 分科会の様子
2枚目 締めくくりの全体会の様子