社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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1月28日(木)7限,2年生人権学習が実施されました。
「誰もが行きたい場所に安心して行ける社会に ~盲導犬ユーザーに出会ったら~」というテーマで,公益財団法人・関西盲導犬協会の久保ますみ様に,コロナ感染予防への配慮からZOOMによってご講演をいただきました。
久保様は,盲導犬について流布している知識について,しっかり自分自身の目で見,耳で聞いて認識してほしいと訴えられました。また約231万人の視覚障がい者の多くは全盲ではなくロービジョンであり,見え方は各人によって異なることを説明されました。そして,視覚障がい者が安全に歩行するための手段として「手引き」「白杖」「盲導犬」の存在を挙げられ,盲導犬の仕事内容や訓練の様子について,映像をもとに詳しく説明してくださいました。
テレビCM{支援キャンペーン}での「盲導犬て大変そうだ」「ストレス多そう」「可哀そう」「トイレを我慢している」「寿命が短い」という意見に対して,「そうではなく,盲導犬は視覚障がい者と一緒に行動することに幸せを感じている」ことを強調されました。一般社会のなかでの盲導犬への誤解や,それによってもたらされる偏見を早く一掃したいとの思いが話の端々に込められていました。
更に,誤解されている殆んどの人は,実際に盲導犬と接したことのない人々なのだとも。
又,久保様は,盲導犬と一緒に歩いていても視覚障がい者は,歩行に不安を感じる場面もあることを紹介されました。そして,一番頼りになるのは人の絆であること,困っているときは声をかけてもらうことが最もありがたいことだと語ってくださいました。
家を一歩出ると,車の行きかう通りや交差点,人の流れが絶えない改札口がある。エンジン音や話し声は聞こえず,わずかな風や空気の流れなどが頼りだ。そんな時,曲がり角や段差を知らせてくれる盲導犬はとても頼りになるのです。しかし,実際に盲導犬を使用している人は考えるよりも少ない。
又,盲導犬ユーザーが拒否される事例も話された。飲食店・タクシー・旅館等。それらの殆どが今までに盲導犬と接したことのないことからくるのではないかと。
その後,もし盲導犬に接する場合,肘を触れるまで近づくべきこと,段差の前ではいったん止まることなど,懇切丁寧に教えてくださいました。
終わりに,久保様より,路上で盲導犬に遭遇した時,盲導犬がかわいいからと言って触ってはならないこと,なぜなら,誰しも自分の大切なものには触れられたくなく,そのことは視覚障がい者も同様であるとのお話がありました。
盲導犬がいたとしても,一番頼りになるのは人であり,一言声をかけることが非常に安心感を与えることになるというお話に,生徒たちは真剣にしっかり聞き入っていました。
久保ますみ様,貴重なご講演をありがとうございました。