社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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2月26日(金)6・7限,2年エンタープライズII(以下,「EPII」と略)の中で取り組んできました「課題研究」の,最終回の授業が行われました。
今回は,5月の教員によるプレゼン,7月のティーチングアシスタント(以下,「TA」と略)によるプレゼン以降,学年全体が19回(ほとんどが2コマ連続授業ですので,計36コマ)にわたって行ってきました「SGH課題研究」の掉尾を飾る第20回目の授業であり,「全体会」「ゼミ最終授業」「TA企画」の3つのパートから構成されています。
6限目冒頭,7階大講義室で全員が集合して行われた「全体会」では,まず,村上校長から「先週行われた代表グループによる論文発表しか私は見ていないので,途中の皆さんの苦労や頑張りはまったく知らない。知っているのは最後の結果だけ。作り上げる途中の努力というものを,教育の世界ではもちろん大切にするけれども,世界に出ると結果がすべて。いくら努力しても,結果がダメならダメ。まず,そのことを皆さんには知っておいてほしい。それから,皆さんは他のグループの論文や発表内容に興味・関心が持てましたか? 自分の知識や感覚,自分の幅が広がりましたか? どのような姿勢でこの取組に臨んでいたか,しっかりと振り返って下さい。」と激励の挨拶をいただきました。
続いて学年主任の岡本先生からは,「先週の発表は大変良かった。特に質疑応答がしっかりと出来たのが良かった。」「1年生の時から,皆さんには『問題をちゃんと問題として認識できるか』ということを問いかけ続けてきた。問題意識を持たずに過ごすと,問題があるのに,それを問題として気づかないままになってしまいます。問題を発見し,それを深める・・・EPIIで発揮しようと努力してきたこの経験を,今後の人生でもしっかりと生かして下さい。」と,労いと今後への期待を込めた挨拶がありました。
SGH課題研究取りまとめ役の岩佐先生,藤岡先生は,「12期生は,この取組の第1期生。皆さんには真摯に取り組んでいただいた。この研究成果や論文集は,後輩たちにしっかりと受け継いでいきます。」「課題研究は初めての取組であったので,時間の限られている中,しんどかったと思うが,このメンバーだからやり切ることが出来た。EPIIでやりたかったのは,『答えのない問題に取り組む』ということ。世の中の問題には,ほとんど答えがない。この取組は,皆さんの今後に向けて良い経験になったと思います。」と述べられ,3月に関西学院大学で行われる「近畿地区課題研究発表会」に出場する6グループの発表・激励と,本校「SGH報告会」(2月19日実施)で見学していただいた優秀論文発表会における御来校の先生方からの感想・講評の一部紹介を行って下さいました。
TA代表のお二人からは,「面白い論文が作れましたか? 自分が後悔しない,面白い論文を作るために何が出来たか,しっかりと振り返ってほしい。基本的には,各自が興味あること,調べたいと思うことに取り組んでいるはずなので,本来的には面白くなるし面白いものが作れるはず。“あまり面白くなかった”という人は,改善すべきところがあったはず。書物による調査はもちろんメインストリームだが,実際にそのことに関わっている人にアンケート調査をしたり,直接インタビューをしに行ったりするのも一つ。京都にはこれだけたくさん大学があるのだから,詳しい先生も多い。素朴な疑問を高校生がぶつけに行ったら,案外面白がっていろいろ教えてもらえたりもしたかも。なぜこういったことをしてみようと思わなかったのでしょうか。足で稼いだデータをもとに書いてみたら,核心を突いた論文になったはず。どんなことでも,自分自身で面白くも出来るし,つまらなくも出来る。大学では,漫然としていたら,何もないまま4年が過ぎ去ってしまう。自分の心掛け次第で,ワクを取っ払っていけば,いくらでも面白くなります。」「正解のないことに取り組むというのは,すごく大事。何をやるか,どうやって進めていくのか,勇気を出してまず決断する。やると決めたら,それに飛び込んでひたすらに努力し,正解に近づけていく。このことが大切と思いながら半年間一緒に取り組んできた。お疲れ様でした!」と,今後に向けた期待の言葉をいただきました。
次に,4~6階の各教室に分かれて,「ゼミ最終授業」と「TA企画」がそれぞれ35分ずつ行われました。
「ゼミ最終授業」では,7つのゼミごとにいつもの教室で「論文最終提出」「授業アンケート」「同意書(学校が生徒の皆さんの論文を利用することについて)記入・提出」「担当教員及びゼミ委員からのまとめ」を行いました。
「TA企画」は,4つのテーマに分かれての座談会で,これまで接触の機会がなかった他のゼミのTAとの交流を通して生徒の視野を広げ,進路設計の参考にすることを狙いとしています。
生徒たちは希望に応じて「留学・課外」(課外活動や留学・海外研修の意義),「文系研究」(人文・社会科学系の研究とその意味),「理系研究」(高校での学びと自然科学系の研究),「計画立案」(「戦略的」計画立案と実行のすすめ)いずれか一つのテーマの教室に行きます。事前に出されていた生徒からの質問に対する回答を聞いたり,その場で質疑応答をしたりしていく中で,当事者となってみないとわからない留学の一端,大学での学びや研究,プランニングのコツ等について新たなイメージが得られたようです。
TAの皆さんには,生徒の論文指導や各種相談に真摯に取り組んでいただき,大変感謝しております。誠に有り難うございました。
12期生の皆さん,お疲れ様でした。3年生となる来年度,SGH第2期生である13期生たちの「頼れる先輩・取組の経験を伝えるアドバイザー」として,さらなる活躍を期待しています!
[写真]
1枚目(全体会の様子)
上段 村上校長からの激励挨拶
下段 お世話に与ったTAの皆さん
2枚目(ゼミ最終授業の様子)
上段 授業アンケートをタブレット端末を用いて入力している様子
下段左 ビデオメッセージ(本日欠席のTAから)を視聴している様子
右 「EPII活動記録」を記入している様子
3枚目(TA企画の様子)
左上 課外活動や留学・海外研修の意義
右上 人文・社会科学系の研究とその意味
左下 高校での学びと自然科学系の研究
右下 「戦略的」計画立案と実行のすすめ