社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
〒604-8437 京都市中京区西ノ京東中合町1[MAPを見る]
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3月1日(火)午前10時から,本館7階の京一商西京メモリアルホールにて,平成27年度卒業証書授与式を挙行しました。朝から雪が降る等寒い日となりましたが,本日卒業式に臨んだのは,自然科学系コース159名,社会科学系コース113名,総計272名(男子149名,女子123名)のエンタープライジング科第11期生です。彼らは,学校創立第128期生,西京第68回生となる生徒たちです。
卒業証書授与に続く校長式辞で,村上英明校長は,「この式場は,130年を迎えようとしている本校の歴史の中で,連綿として続く輝かしい伝統を引き継ぎ,卒業された多くの諸先輩方の想いが息づく場所として,京一商西京メモリアルホールと名付けられています。このホールは,先輩方のみならず,ここにいる皆さん方が過ごしてきた学校生活の様々なシーンが記憶として積み重ねられていく,そういった意味でもまた,メモリアルな場所なのです。」
「昨年7月14日に本校学術顧問で,株式会社堀場製作所の創業者であり当時最高顧問でいらっしゃいました堀場雅夫様がお亡くなりになりました。平成15年度の本校エンタープライジング科の立ち上げや翌年の附属中学校設立にも積極的にご尽力賜り,『進取・敢為・独創』という本校の教育理念やグローバルリーダーの育成,中高一貫教育の導入など,現在の西京のコンセプトの原点となる示唆をたくさんいただきました。その縁もあって,設立当初から13年の長きにわたって本校の学術顧問もお引き受け下さり,入学式には必ず新入生・保護者に対して記念講演を行って下さいました。堀場先生最後の御講演となりました昨年4月には,『西京生は,それだけでアドバンテージがある。この平和な京都に生活し,中学・高校時代も学校生活に集中する環境にある。世界をながめれば同じような年代であっても,戦争や病気の蔓延により明日の命さえ保障されず,将来の希望さえも描くこともできない青年も多く存在する。皆さんはそのような恵まれた環境を生かして,率先して世の中の役に立つ人間になる必要がある。そのためにはまず人間として魅力的である必要があり,素晴らしい人格を形成する必要がある。なぜなら,その能力で私利私欲に走り,自分が良ければそれでいいという人では,真のリーダーたりえないからだ。勉学に励んで自分の専門領域を持ち,常にそれを高めることに努め,その仕事を通じて世界に貢献できる人となってほしい。』と,熱くメッセージを語って下さいました。あらためまして堀場顧問のご冥福をお祈り申し上げますとともに,感謝の言葉を申し上げる次第です。」
「昨年公職選挙法が改正され,公職に関する選挙権年齢が18歳に引き下げられました。ご存じのように,選挙権は憲法上国民に保障された参政権の重要な部分を占める権利であり,歴史的にはこの選挙権の獲得を巡って多くの市民・国民の血が流されることもありました。そうまでして手に入れてきた権利ですから,当然その選挙権の行使,すなわち投票するといった行動には,自分を取りまく社会全体に対する責任を負うことになります。すなわち政治の一端を担う,主体的に参加するという意識が必要となってきます。一人の若者として,これまで学んできたことを十分に活かし,その時できる範囲で構わないから十分に考えたうえで,社会の一翼を担う責任を最低限果たしていくよう,心がけていただきたいと思います。」
「先の堀場顧問のお話にもあったように,比較的恵まれた環境で中学・高校生活を過ごしてきた卒業生の皆さんは,自分の将来の夢を実現することも大切なことではありますが,社会全体の幸福や人類全体の幸福のために自分に何ができるか,どう貢献できるかを常に考えてこれからを過ごしていただきたいと切に思っています。もちろん,家族や友人,ここでお世話になった先生方への感謝の気持ちも大切なことではありますが,社会で活躍し,様々な分野で社会の幸福に貢献している皆さんの姿を見せていただけることが,私たち,皆さん方を送り出したものの切なる願いであることを最後にお伝えして,卒業にあたってのはなむけの言葉といたします。」と述べられました。
また,祝辞の中で,PTA会長村上久明様から「皆さんは,ここ西京高校で高い志を同じくする友人と出会い,全てにおいて高いエネルギーを使って,より良い価値のあるものを得られたことと思います。それを誇りに思って,これからも歩んでいってほしいと思います。」「皆さんは,海外フィールドワークやリーダー研修などを経験して,世界的に普遍的な価値観に気づき,肌で感じて帰ってこられたことと思います。これからは更にグローバルスタンダードを学んでいただき,『社会から求められる人』になっていってほしいと思います。」「しんどい・苦労は本人の感じ方次第。西京で培ったエンタープライジングな精神とともに,自分の人生をたくましく,楽しいものにしていって下さい。」とエールを送られ,西京同窓会会長平野正路様からは,「今日の社会環境は大変厳しいものがあります。結果が見通せないからこそ挑戦してみる価値や面白さがあります。既成の概念にとらわれることなく,斬新な発想で夢を追い求めて飛び立って下さい。さまざまな失敗の経験が皆様の将来の糧となります。西京という絆で結ばれた縁を大切に,悔いのない未来の自分に向かって一歩を踏み出して下さい。」とのはなむけの言葉をいただきました。
続く送辞で,生徒自治会長山河絵利奈さんは,「エンタープライジング科を御卒業されると,様々な困難が待ち受けていることと思います。しかし,先輩方なら,エンタープライジング科で学んだ行動力や意見を伝える力,そしてチャレンジ精神で困難を乗り越え,更にはこの社会を引っ張っていく存在になるでしょう。」と述べるとともに,11期生の活躍を讃え,後輩としてその伝統を継承し発展させていくことを誓いました。
この送辞を受けて,卒業生代表の義村聡志さんは,「エンタープライジング科第2ステージ1期生」と言われた11l期生の軌跡を振り返りながら,「進取・敢為・独創,この三つの力を身に付けた西京高校エンタープライジング科11期生として,どんな苦難も乗り越え,前を向いて生き続けることを誓います。」と力強く決意を述べました。
式後には卒業生から3年担任団や保護者の皆様への謝辞も披露され,感動的な卒業式となりました。
[写真]
1枚目
上段左 朝の校内(雪景色のグラウンド)
上段右 朝の校内(雪景色の中の梅花)
下段左 正門付近
下段右 学校長による卒業認定
2枚目
上段左 卒業証書授与
上段右 式場の様子
下段左 学校長式辞
下段右 PTA会長祝辞