社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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4月8日(金)9時30分から,7階京一商西京メモリアルホールにて,西京高校エンタープライジング科平成28年度入学式が挙行され,本校附属中学校および府下の各中学校から合計280名の新入生が晴れて「エンタープライジング科第14期生」としての歩みを始めました。
竹田校長は式辞の中で,「本校は昨年度から,国際的に活躍できる人材を育成する,日本を代表する高等学校として,文部科学省から『スーパーグローバルハイスクール』に指定され,質の高いカリキュラムの開発・実践,そしてその体制整備を進めています。また,学術顧問として,ノーベル物理学賞を受賞された赤崎勇先生に加えて,本日この後御講演も賜ります島津製作所相談役の服部重彦様を本年度からお迎えし,まさしく本校が目指す“社会で活躍・貢献できる社会人力を有した生徒”の育成を図る環境が強固なものになっているところです。新入生の皆さんは,この進化しつつある西京高校エンタープライジング科の第14期生として入学され,輝かしい本校の歴史に新たなる1ページを刻んでいくこととなります。皆さんは,今年創立130周年を迎える本校の伝統の積み重ねの上に立ち,これからの社会を積極的にリードする人材となることを期待され,またその責任を背負っていると言っても過言ではないと思います。」「そこで皆さんにお聞きします。『決意』,いえ『覚悟』はできていますか。自ら選んだ道としての高校生活は,自らの意思で,自らと自らの将来のために行うものであり,ここで学ぶことを選択し許可された皆さん自身が,主体的に行動力を持って行うものです。もちろん学校は,皆さんそれぞれの将来の夢の実現のためにさまざまな道筋を示し,課題や方法を提示し,時には超えるべき壁となって,行く手を阻むことがあるかもしれません。しかし,どんな堅固な壁であっても,皆さん自身がその課題に果敢に挑み,何度跳ね返されても突破するまで挑戦し続けることで,皆さんがさらに大きく成長していくことを願って,学校はあえて『試練の壁』となっているのだ,ということを,十分理解しておいて下さい。」と述べられ,ヴィクトリア朝の政党政治を代表するイギリスの政治家で,小説家でもあるベンジャミン・ディズレーリの言葉「Action may not always bring happiness; but there is no happiness without action.」(行動は必ずしも幸福をもたらさないかもしれないが,行動のないところに幸福はない。)を引用して「人は取組を通して成長します。言い方を変えると,ベンジャミン・ディズレーリの言うように,行動・取組のない人間はどんどん後退していきます。ですから,皆さんには,今日から始まる高校生活の一日一日,一時間一時間を大切にして,授業や部活動,その他さまざまな学校での取組に主体的に参加し,自らのために自らを鍛え,力を蓄えて,3年後,見事に希望する進路をかなえ,立派に成長した姿でこの西京を巣立っていくことを私たちは切に願っております。」と述べられました。そして,
「もう一つ,皆さんに心に留めておいてほしいことがあります。皆さんは一人だけで高校生活を送るのではありません。ここにいる280名の同級生や,500名を超える2・3年生,さらには100名近い教職員,また保護者や地域の皆さんなど,多くの方々に支えられて高校生活を送ることになります。」「忘れてはならないことは,皆さんの自由と権利は絶対的なものであると同時に,他人にも同様の自由と権利とが与えられており,その権利を妨げるようなことがあってはならないということです。いじめをはじめとする,人権を侵害する行為があった場合,学校は断固として厳しい指導を行います。互いにその存在を大切にし,人としての尊厳を傷つけることなく,生き生きとして夢に向かって高め合い,豊かな心を育てていきたいと考えます。」
「サントリーホールディングス代表取締役社長である新浪剛史氏は,御講演の中で,グローバル人材に必要な条件の一つとして,『コミュニケーション能力』を挙げておられます。(ちなみに,もう一つは『ダイバーシティー(多様性)』です。)新浪氏は,『海外では,黙っていては存在する意味がない。自分が何かを実現するしたいと思ったら,やはり伝える力を持たないといけない。“言わなくても分かるでしょう”で通じるのは,日本の中だけ。 一定のロジック(理論展開)に基づいて,大きな声で主張しなければ,常識が異なる海外では理解されない。』とおっしゃっています。今,世界は,20世紀には想像もしなかった急激な変化を体験しつつあります。東西冷戦の終結によって解消するはずだった世界の対立構造は,民族間・宗教間の対立によって,ますます複雑かつ過酷になっています。他方,地球環境の悪化は加速し,金融危機は国の経済や人々の生活を根本から揺さぶっています。このような21世紀だからこそ,本校の特色の一つである『英語運用能力』『情報活用能力』を向上させることは勿論重要ですが,新浪氏が言っておられるように,それにも増して,一定の論理・表現力に基づいて意思疎通を図ることのできる能力,つまり“真のコミュニケーション能力”を是非とも向上させてほしいと思います。大切なのは,形式的・表面的なコミュニケーションではなくて,考えの違いや文化・民族・宗教の違いをお互いに理解・尊重して意思疎通する真のコミュニケーションなのです。それを可能にする能力を,本校で創造的に獲得してほしいと思います。そして,この西京高校でのすべての学びを通して,『進取・敢為・独創』の校是のもと,本校が掲げる3つの力(Communication[人とつながる力],,Collaboration[社会と関わる力],Challenge[積極的に知と向き合う力])をしっかりと身に付け,激動する世界で活躍・貢献し,社会の中で自分の役割を果たしながら自分らしい生き方を追求できる人間に成長してほしいと強く願います。」と新入生たちにエールを送りました。(以上は式辞の中から抜粋しました。)
PTA北村喜次会長は祝辞で,「御入学の皆さんは,大いに自信を持って未来への一歩を力強く踏み出して下さい。」「この入学はゴールではなく,今日が皆さんのスタートの日であり,皆さんの人生全体からみると一つの通過点にしかすぎません。どうか,より一層気持ちを引き締めて,努力精進をし,新たなことにもどんどんチャレンジして下さい。」とのべられ,エンタープライジング科で学ぶために必要な3つのこととして「謙虚さ」(謙虚に,素直に学ぶ姿勢で多くのことを学ぼう),「未来への関心」(興味関心というアンテナを張ることで未来を感知する力を身に付けよう),「努力」(自分の中で限界を設けて諦めてしまうことなく,ひたむきに努力しよう)を挙げられ,「これらを忘れずに高校生活を楽しんほしい。」と激励して下さいました。
新入生代表は答辞の中で,「たくさんの人の支えを原動力として,好きなこと,苦手なこと,楽しいこと,大変なこと等,何事にも自ら進んで挑戦し,全力で一生懸命に取り組む西京生でありたいです。」「西京高校への進学という,私たちにとって大きな選択の価値は,今はまだわかりません。自分の選択の意義や正しさというものは,何年,何十年もの時間をかけずしてはきっと理解できないものであると思います。しかし,自分の選択に誇りと責任を持つことは出来ます。そしてそれは,自分がどのように高校生活を過ごしていくかにかかっていると思います。目的や目標を明確に持ち,積極的・主体的に過ごす3年間は,自分にしか生み出せない,特別な3年間となるでしょう。」「3年後に,自信と誇りを持ってこの西京を卒業できるよう,全力を尽くしていきたいと思います。」と力強く決意を述べていました。
[写真]
1枚目 校門付近の様子
2枚目 1段目 入学許可
2段目 新入生宣誓
3段目 学校長式辞
3枚目 1段目 PTA会長祝辞
2段目 新入生答辞
3段目 担任紹介