社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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7月16日(土)から18日(月)の3日間にわたり,隠岐國学習センター(島根県隠岐郡海士町福井)にて行われました「Glocal Olympics(まちづくり甲子園)2016」(主催:島根県立隠岐島前高等学校)に,本校2年生5名が参加しました。
この取組は,日本の超課題先進地域である島前地域(海士町・西ノ島町・知夫村)を舞台に,実際に島が抱える地域課題について全国から集まった多様なメンバーとともに生徒同士で協働しながら探究し,解決策を企画立案して提案するという,宿泊型のワークショップです。
参加者は総勢30名(1年11名・2年14名・3年5名/男子10名・女子20名)で,参加校は,島根県立隠岐島前高等学校,愛媛県立宇和島南中等教育学校,熊本県立河浦高等学校,宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校及び本校の5校です。
本校からの参加者5名は,前日の15日(金)朝から京都を出発し,JRとフェリーを乗り継いで,夕方5時30分ごろに海士町の菱浦港に到着しました。
集合は16日(土)の12時40分でしたので,1泊した翌16日の午前は,レンタサイクルなどを利用して島内を探検して回りました。
16日(土)12時40分,全国から集まった生徒たちが菱浦港のフェリーターミナル「キンニャモニャセンター」に集合して,まずは昼食です。港のオープンスペースという開放的な場で,テーブルごとに自己紹介をしながら,初めて顔を合わせるメンバーと楽しく食事をしました。
その後,主会場である「隠岐國学習センター」に移動し,開会行事です。参加生徒の自己紹介,主催者代表挨拶,参加各校の学校・地域紹介が行われました。本校の生徒は,学校の概要や海外フィールドワークの取組,京都市や宇治市の紹介を行い,京都市内の名所や,平等院鳳凰堂修復後の丹塗りが鮮やかによみがえった姿を示して紹介した際には,「きれい」「行ってみたい」等,感嘆の声が上がっていました。
そして,学習センター長の豊田庄吾氏から,今回のまちづくり甲子園で尊重すべき原則として,「出身地も文化も異なる参加者が互いの違いを楽しむ」「参加者間の違いを強みとして活動で活かす」「自分と地域・世界の課題のつながりを意識する」の3点を示されました。
参加生徒同士のアイスブレイクでは,「得意なこと」「最近した失敗」「まちづくり甲子園で持ち帰りたいこと・期待すること」「自分の地域や学校の自慢」について参加者間で交流しました。
この後参加者は6つのチームに分かれてそれぞれ円形に座り,明日の成果発表に向けての説明を,豊田センター長から受けました。「発表時間は8分」「模造紙にまとめて発表」「発表内容は(1)ミッションの概要(2)結論・解決策(3)理由(4)想い(5)まとめという要素で構成」「フィールドワークの際の極意として(1)気持ちの良い挨拶をする(2)最初と最後に必ずお礼を言う[忙しい中時間を取って下さった大人の方々に感謝の気持ちを態度で示す。](3)頷いたり相槌を打ったりするなど,積極的な聴き方で相手が話しやすい場を作るよう心掛ける,の3点に気を付けること」「発表で重視する観点は,論理性,主体性,多面性,資源活用性,独自性,表現力の6つ」「全体の流れや時間配分をしっかりと意識すること」「失敗おめでとう! の気概で積極果敢に取り組んでほしい」と,一つ一つ丁寧に説明して下さいました。
この後,チームでの活動を円滑にするための約束事(グランドルール)をそれぞれ話し合いました。あえてテーブルは出さず,生徒たちの膝の上に段ボールで出来た大きな円形の板(「えんたくん」という名称だそうです)を置き,その上に載せた円形のクラフト紙に意見を書き込みながらルール作りが行われました。「人の意見を否定しない」「共有する・反応する」「『正解』にこだわらない」「子ども目線を大切にする」「ポジティブ」等,グループごとに大切にしたい点を話し合い,発表し合いました。
続いて,各グループへのミッションが提示されました。それぞれ,「西ノ島は海外からの観光客誘致に力を入れているが,外国人観光客の増加で宿泊施設が足りない。来てくれた外国人も受け入れる西ノ島の人も気持ちよく過ごせるようにするためにどうすればよいか。」(観光),「高校生(君たち)ができる知夫の島留学の児童生徒募集の方法を考えてほしい。」(教育),「海士町定置網漁業が抱える諸問題に対して打開策を提案していただきたい。」(漁業)等,島前地域の2町1村の方々からいただいた課題に,島内生・島外生混合チームで若者の視点から取り組んでいきます。
ミッション発表後は,「作戦会議」にとりかかりました。実際に現地に出向いてフィールドワークが出来るのは,翌日午前の約3時間しかありません。ミッション提供者や各グループに同行する学習センターのスタッフと話し合いながら,「ミッションに対する提案を考えるにはどのような情報が必要かを洗い出す」「インタビューシートを利用して事前に調査したい項目や質問案を整理する」作業を,会場の後方に準備されている参考文献(学習センターで用意して下さった,ミッションに関連した図書や新聞記事のスクラップ,町や村の広報誌等)も利用しながら進めました。(「サポーター」として,隠岐島前高校の卒業生も参加してくれました。)