社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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8月23日(火)14時から16時まで,本館5階535教室において,「エンタープライズトップリーダー研修」(以下,TL研修と略します。)の事後研修会を行いました。
この研修は本校独自に行っているものであり,1年次の3月に全員で取り組んだ海外フィールドワークの成果を踏まえ,グローバルリーダーとして更に次のステージでの研鑽を積みたいという第2学年の生徒を選抜(本年度は14名)して実施しており,今年度が第3回目です。
4月から始まりました事前研修【「キックオフガイダンス」・「コミュニケーション研修」(アナログコミュニケーションの基礎を学び体得する)・「自己アピールオリエンテーション研修」・「ディスカッション&プレゼンテーション研修」(ネイティブの講師によるオールイングリッシュによる1日がかりのレッスン)・「結団式・決意表明及び京一商西京同窓会様からの奨学金授与式」の計5回】を踏まえて,アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーにて現地研修を実施しました。
現地での研修は,去る8月2日から10日までカリフォルニア大学バークレー校(UCB)の学生寮に泊まり込み,学生チューターとのセッション(英語によるディスカッション,ディベート,プレゼンテーション等を行う濃密なプログラムです)や大学・企業の研究者訪問等を行いました。これらの活動を通して,生徒一人一人が目指す生き方や自らの将来像について広い視野から考える契機とし,併せて自らを表現するスキルを向上することも目指しています。
その成果を振り返り,今後に向けての意識づけを行う場として,この事後研修を設定しています。
UCバークレーでの研修を終えた参加者全員(2年生14名)が出席し,コミュニケーショントレーナーの西田弘次氏(実践コミュニケーション研究所所長)を再度講師に迎え,講義を交えつつ,現地研修での体験を丁寧に振り返り,まとめを行いました。
講義の最初に,西田先生は5月に実施した第2回事前研修の内容を振り返りながら,「DO→LOOK→THINK→GROW」というサイクルで「経験を振り返り,同じ経験をした人々で意見交流し,そこで確認した内容で自分がすべきことを意識的に反復し成長につなげていくことの重要性」について説明されました。つまり,実際にアメリカに行く(Do)→それを振り返る(Look)→よく考える(Think)→そして成長する(GROW)という流れです。
まず,“Look”。一人一分の時間が与えられ,それぞれがアメリカでの思いや経験をプレゼンテーションしました。そこで見せる生徒の姿は,渡米前とはまさに別物。一人一人の目を見ながら,ジェスチャーを駆使し,「積極的に関わることで学びは変わる」「どんな人でもリーダーになれる」「色々なリーダーがいていい」「人に頼ることの大切さ」など実体験を通したリアルな感覚,さらには「アメリカ人は意外と京都を知らない」等々,笑顔で堂々と自らの体験を語っていました。
次に,“Think”。西田先生は,氷山の図を使いながら学習や体験を積むことの意義を,だまし絵を使って固定観念や先入観が人のものの見方に大きく影響を与えることの危険性を強調されました。経験や学習を通して身につけた知見は氷山で言えば水中に隠れている部分のようなものであり,それが大きくなればなるほど明らかにできる部分(人に伝えることが出来る部分)が増えるということ,そしてそれをバランスよく大きくすることによって,固定観念や先入観に左右されないようになっていき,より真実が見えてくるようになるということを強調されました。今回の現地研修で体験した一つ一つの「驚き(異文化)」・・・これらをいかに吸収するかが一人一人の今後の思考や価値判断に大きな影響を与えるわけです。「人間は自らの氷の塊が一番だと思っており(自文化中心主義),それこそが争いの源である」・・・まさに「トップリーダー」たらんとする参加者が熟知しておくべきことではないでしょうか。
この事前研修→現地研修→事後研修(“DO→LOOK→THINK”)という一連のプログラムを通して,参加した生徒たちは,立派に“GROW”することができたことでしょう。実際にこのサイクルを経てさまざまなチャレンジを乗り切ってきた西田先生による,「この研修で持ち帰った多くの種を,自分の人生に生かす努力を今後も継続してほしい。」という熱く説得力のある激励の言葉は,生徒の心に大きく響きました。そして,生徒たちにはまたこれから新しい,そしてもっと大きな“Do”がやってくるはずです。
今回の経験を大きな糧として,彼らの成長と成果の広まり・深まりに期待しています!