社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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9月16日(金)6・7限目「エンタープライズII」(略称:EPII)の時間に,情報学ゼミでは,大阪大学大学院基礎工学研究科の吉川雄一郎先生にお越しいただき,特別授業を行っていただきました。吉川先生は,「マツコロイド」等のヒューマノイドの研究で世界的に有名な石黒浩教授の研究室で准教授を務めておられます。
EPII「課題研究」で今年設置しています8つのゼミの中で,この「情報学」ゼミでは,コミュニケーションやメディア等に関心を持っている生徒達が集まり,現在課題研究のテーマを模索,検討している最中です。そこで今回は,実際に大学で最先端の研究をされている吉川先生に特別授業をしていただくことで生徒の興味関心をさらに拡げるとともに,論文のテーマ設定,ひいては生徒の将来の進路を考える貴重な機会を設けることとしました。
「心を『連れてくる』ロボット」と題し,吉川先生は「ロボットは人間のコミュニケーションを支援できるか」というテーマで,実に多くの具体例を交えながら御自身の研究内容についてお話しされました。人間と複数のロボットに対話させる実験を通じてコミュニケーションそのものの本質に迫る研究について,また,ASD(自閉症スペクトラム)者はアンドロイドに対して対話中の視線行動や自己開示が促されたりする可能性がある(人よりも,ロボットの方が話しやすい場合がある)という最新の研究成果についても,大変分かりやすく詳細に解説して下さいました。また,「研究は既存の論文にケチをつけるところから始まる」といった,今後生徒達が課題研究を進めるにあたって大変参考になるアドバイスもしていただきました。
最後の質疑応答では,生徒から,「そもそも“人間らしい”とはどういうことなのか」「2045年にAI(人工知能)が人間の能力を超えるという予測の話を聞いたことがあるが,そのような時代の到来に備えて私達は今何を学ぶべきか」といった質問が出ました。吉川先生には一つ一つの質問に実に丁寧にお答えいただき,この特別授業を通じて生徒達は来るAI時代を見据え,本質的な問いについて考えるきっかけを得たようでした。
吉川先生には大変お忙しい中本校で特別授業をしていただき,本当にありがとうございました。