社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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11月11日(金)6・7限目に,7階大講義室にて,2年生「エンタープライズII」特別講演会を行いました。講師は沖縄科学技術大学院大学教授の柳田充弘先生(京都大学名誉教授・米国科学アカデミー会員・文化勲章受章者)で,「生命科学者を稼業としてきました」というタイトルでお話しいただきました。
柳田先生は,講演を,「職業選択」という生徒たちにとっても関心の高いテーマで話し始められ,御自身の生命科学的見地からみた長寿研究の内容(2060年には65歳以上が日本の人口全体の45%を占めるようになる等)も交えつつ,生涯において,定年後の稼業も見据え,二つか三つの職業を持つべきだ,と来たるべき時代に向けた指針を語られました。
その後も,御自身の歩みを振り返りつつ,高校時代の部活動(登山部)にも触れながら,高校卒業後の進路やこれまで生命科学の研究者としていかに生きてこられたかを,実に明瞭な言葉で,かつコミカルにお話し下さいました。偉大な肩書を持っておられる柳田先生ですが,若手研究者の時代はなかなか自信が持てず,30代になってからようやく御自身の研究に自信が持てるようになったとのことでした。様々な功績の陰にはそうした苦労が必ず存在しており,それが平坦な道ではなかったはずだということが,生徒にも伝わっていたように思います。
柳田先生が「研究者になるための資質」として列挙された言葉は,次の通りです。
・「好奇心」があること
・「議論」を厭わないこと
・「探究心」があること
・自分の考えを「実践」すること
・そしてそれを「発表」すること
・何事にも「持続」的に取り組むこと
・「正直」であること,「明るい・明快」な性格を持つこと
いずれも,研究者のみならず,どのような職業でも,そしてもちろん高校生活においても,重要なキーワードであることがわかります。何をするにせよ,これらを素直な心で行動に移すことこそが重要であり,それは当たり前のことなのですが実際には大変難しく,現代を生きる我々が見直さなければならない点であろうと思います。
御講演の後は,質疑応答です。生徒たちから,「生きる意味とは」から「科学技術発展の功罪」まで様々な質問が飛び出し,活発なディスカッションがなされました。
御講演終了後も多くの生徒たちが柳田先生を囲み,同じ部屋でさらに一時間以上も話が続いていました。
柳田先生,お忙しい中遠路はるばる御来校下さり,誠にありがとうございました!