社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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12月21日(水)13時から14時30分まで,京都大学益川ホールにて行われました安倍昭恵氏による特別講義「価値の創造~京都の学生の手紙から始まる対話~」(主催:京都大学地球環境学堂・エコ~るど京大)に本校生も御招待いただき,1年生6名が参加しました。(今日から学校では「1・2年生冬季学習講座」「3年生冬季進学補習」が始まっておりますが,午後の講座は公欠をとって会場に駆けつけました。)
日本のファーストレディーとして国内外を飛び回る傍ら,自身の公式オフィシャルサイトの冒頭には田んぼに入る写真と「豊かな地球とつながろう」というフレーズを掲げ,農業や環境問題にも実践的に取り組む安倍昭恵氏。その他,教育,女性,アート,国際交流等,興味と活動の範囲はとどまることを知りません。今回の特別講義は,学生との対話的講義を目指したいという御本人の御希望により,参加者(京都大学の学生及び高校生[京都橘高校及び本校の生徒])から事前に手紙を届けたうえでお話しいただく,という形での実施となりました。
普段から本校マネジメント会議委員・SGH課題研究協力委員としてお世話に与っております浅利美鈴先生(京都大学地球環境学堂准教授)の司会により,特別講義が始まりました。
前半は講義です。
「人にはいろいろな価値観があり,それぞれが常に自分の価値観の中で物事を評価している。価値観の異なる人とはなかなか折り合っていけないもの。今日は新しい価値観を学生の皆さんとつくっていければと思って,この場に来させていただいた。」とお話を始められました。
安倍晋三首相との出会いに始まり,東日本大震災被災地での防潮堤建設計画進行の話題(環境アセスメント不要・1兆円規模の復興事業。あまり高いものを作ると美しいリアス式海岸が見えなくなり,想定外の津波が来たときにわからないし,沿海部の生態系が変わってしまう懸念もある。住民が見直しを考えても計画が変わらない。必要なものは作るべきだが,いったん計画したらやめられない日本の行政。その姿に不信感を募らせ「偉い人は信じられない」という,あるNPOの若者との出会いから,「若者の心の壁を取り払い,信じてもらえる年長者になりたい」と,防潮堤のことを語り続け,海の大切さや環境問題をわかってもらえるような取り組みを硬軟両面から進めている・・・等)から住民の合意形成の話題へと話が進み,「これからのエネルギーをどうすればよいか,今後のライフスタイルをどうするのか,を若い人に考えてもらいたい」とおっしゃっていました。
また,御自身のフェイスブックにいろいろ書き込みがあるそうですが,ブロックも削除もまったくしていないとのことで,「さまざまな面からみないと人の本当の姿はわからない。批判されて終わりではなく,違う面を見ることで人と人は分かり合える,つながれるという実験をしている。国と国とでも同じだが,まずは個人と個人でやっている」といった話題,「半農半X[エックス]で何か出来ればと思い,無農薬の米作りを始めた」「(誰かが今日の講義のためにくれた手紙にあったが,)AI(人工知能)はあくまでも経験値。これからは“新しいことをどんどんする”こと,そして“感じる力”が大切。」等,約1時間お話し下さいました。
残り約30分は,質疑応答の時間です。
法科大学院や医学部の学生等に混じって,本校生も積極的に質問していました。本校生6人中,何と3人が質問できました!
本校生からの質問は,まず「安倍首相の素顔を教えて下さい」でした。昭恵氏は「面白い人で,よく冗談を言うし,部屋の片づけもしてくれる。自分で下着をたたんだりもするが,わざと私の横でやっている。何か言ってほしいのかと思っている。」と話して下さいました。次の「フェイスブックでいろいろな批判もあると思いますが,どのようになさっていますか」という質問に対しては,「移動中の時間を利用して率直な意見交換をするようにしている。ただ,電車等でも下を向いてばかりになるので外の景色の移り変わりを見られないのが残念。」と答えて下さいました。3人目の「防潮堤のお話でも“1回決まったことは変わらない” とおっしゃっていましたが,なぜ現状維持で変わらないのでしょうか」いう問いに対しては,「知事や市長等,自治体の首長は選挙で選ぶことができる。国の権限が地方に移譲されていく中で,選挙をどのようにするか,今の選挙体制はこれでいいのかと思ったりもする」とお答え下さり,生徒からは更に「アメリカの大統領選挙は有権者が楽しめる工夫がありますが」と問いかけると「あれでよかったのでしょうか,とも思うけど」と苦笑いされる場面もありました。
フロアから出された「各国要人の意外な一面」「感じる力が大切とおっしゃっていたが,アンテナをどう広げればいいか。何か注意されていることはあるか」等の硬軟取り混ぜた質問に対しても,丁寧に答えて下さっていました。(最後の質問に対しては「自然の中に答えがある。いかにそれをキャッチできるか。なるべく自然の中に出て,何も考えない時間を少しでも持つようにしている」とおっしゃっていました。)
京都大学の学生約30名,高校生20名弱(その他,京都大学の先生方約20名)という本当に顔の見える範囲での,「謦咳に接する」という言葉がまさにふさわしいクローズド・シークレットの会であり,生徒たちには掛け替えのないすばらしい経験となりました。最後には記念撮影までさせていただくこともできました。関係の皆様方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。