社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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5月14日(日)13時から16時まで,本館5階535教室において,コミュニケーショントレーナーの西田弘次氏(実践コミュニケーション研究所所長)を講師にお迎えし,この夏実施の「エンタープライズトップリーダー研修」第2回オリエンテーションとして,「コミュニケーション研修」を実施しました。
本日のプログラムは,海外で通用する“人と対面する場面でのコミュニケーション力”を高めることをめざしたもので,途中休憩をはさみながら,3時間トレーニングを行って下さいました。
冒頭,西田先生から「コミュニケーションをうまく行うには,キャッチボールと同じで,投げる時には相手がボールをとりやすいところに投げること,受ける時にはボールを投げやすい雰囲気を作ることが大事です。本日の目標は,“わかる(知っている)”から“できる(やっている)”へと変わることです。そのために,小さな目標をクリアしながらレベルを上げていきましょう」といったお言葉をいただきました。
力をつけるためには「1.反復(トレーニングを繰り返す)2.負荷(少し難しいことにチャレンジする)3.意識(小さな目標を設定する)」ことが大切であるとの説明から始まり,早速生徒たちがこれらの言葉を意識的に口にしている様子がうかがえました。
コミュニケーション力を高めるためには,まず受信力と発信力を高めることが重要です。
受信力を身につけるために大切なことは,「身体を向けること」「目を見ること」「反応すること」の3つであり,「反応すること」とは,“言葉で反応する”という意味だけではなく,“言葉以外の方法で反応をする”ということも意味しています。例えば,前者の場合,その言葉を発する際の声量や抑揚が相手に伝わる印象を大きく左右します。後者の場合は,頷いたり,笑顔で返事を返したりすることで、相手に「あなたの話をちゃんと聞いていますよ!」と言葉がなくても伝えることが出来ます。日本から一歩外に出たら、コミュニケーションに大きな影響を与えるのは,声の出し方,態度,見た目,話す距離などの「言葉以外の表現」であるかもしれません。日本国内とは異なり,同じ文化背景を共有していないという点からもそれは容易に想像することができます。研修先のアメリカでは,日本人が慣れ親しむ機会の少ない表現方法を用いたコミュニケーションを当たり前とする場面がありそうなので,言葉以外の表現を反復しながら鍛えていく必要がありそうです。
また,発信力を向上するためには,「姿勢」「大きな声」「視線」を意識することが大切です。特に発表する際の姿勢に関しては,(1)座った時の姿勢(2)歩き方(3)立った時の姿勢をそれぞれ意識したトレーニングを行い,様々なアクティビティや発表形式を取り入れた研修に生徒達は主体的に楽しみながら取り組んでいました。それぞれの生徒が自分のカラーを生かした発信力はどのようなものであるのか,講師の西田先生のアドバイスを踏まえて考え,実践的に学ぶ姿は大変たくましく感じられました。
トレーニングの最後に,今回の研修の集大成として一人ずつスピーチを行いました。今日の研修の冒頭では恥ずかしさや緊張にたじろいでいた生徒たちも,自身の気づきを意識をしながらトレーニングを積むことで堂々とした姿勢を身につけ,大きな声で,視線や手の動き等にも気を配りながら個性を生かした発表してくれました。格段に美しくなった立ち振る舞いや聞き手に与える印象は力強いものになり,生徒たちの顔からは自信や達成感のようなものを垣間見ることが出来ました。西田先生からそれぞれお褒めの言葉をいただき,生徒たちは更に自分の強みに磨きをかけてくれることでしょう。
近年,SNSなどの普及により,ある意味人と繋がることが容易になってきています。しかし,その多くは視覚情報のみによるものであり,本日の研修で肌で感じた五感をフルに使って得た情報とは全くの別物であるといえます。デジタル化が進む中,それによって失われつつあるもの(五感を必要とするアナログ式の力)を意識的に身に付けようと努力することは,時代に逆らっているのではなく,人間の心の豊かさを鈍らせないための大切な心掛けであるように思えます。
最後に西田先生からの「学んだことの唯一の証は変わることです。今後の皆さんの努力に期待します。」との激励の言葉で,本日の密度の濃い事前研修が締めくくられました。
本日の研修を経て,多くの気づきを得た今日から,反復的に努力を重ね生徒たち自身の力で,それぞれの気づきを自身の変化,成長に繋げていって欲しいと思います。西田先生には帰国後もう一度ご指導をいただきます。今回ご講義いただいた感謝の気持ちを成長した姿で示すことが出来るよう,気づきを大切に自己研鑽に励んでほしいと思います。