社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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9月27日は,水曜日ですが金曜日の時間割に変更されています。いつもは金曜日に行われているEP2ですが,27日(水)6,7限に実施しています。今回は,社会科学ゼミを紹介します。
33名在籍している社会科学ゼミでは,社会学や歴史学の手法を用いて,「環境」の捉え方,読み取り方について学び,統計学的なデータ分析や,歴史学的な資料研究を用いて問題にアプローチします。これにより時間や空間の異なる文化を具体的に捉えつつ,現代社会への示唆を得ることで,対象の分析に留まらない,実証的な考察をめざすのが社会科学ゼミです。
今回,滋賀大学教育学部准教授安藤哲郎先生をお招きしました。
安藤先生のご専門は歴史地理学。主に京都の歴史を地理学の観点から考察することを研究のテーマとされています。
冒頭に,近々の研究成果として古文書における「京」と「洛」の違いについての分析結果をお話しされていました。古い文献をテキスト分析にかけ,例えば「帰京」「帰洛」の使い分けには違いがあるのかについて,身分,位,住む地域,使用時期など多様な変数を利用し考察をされています。
また,生徒たちのグループ活動として,京都市内の新旧の地図を,建物,道,地形等からヒントを得ながら,繋ぎ合わせて完成させるというアクティビティーが行われました。さらには,自分ならば平城京をどこに設置するかなども検討しました。生徒たちは,川の位置や地形などを考慮に入れて,あれこれととても楽しそうに試行錯誤を繰り返していました。
授業後半では,このような検証作業から何が言えるのか,また普段我々が使う道,例えば学校に接する御池通や西大路通りの幅員から一体どういうことが考察できるのか,さらには新旧の京都市内の地図における川や道の描き方の違いから歴史的な何がわかるのかについてお話をされました。
安藤先生は最後に,「EP2の課題研究において,必ずしも『答え』を出す必要はない。自分の疑問に対して実直に研究を続け,答えがでなければその着想を大学まで持っていけばいい」と仰っていました。唯一の正解を求めがちな試験・入試ではなく,自分の答えを見つけ出すこと,それは多様であっていいこと。そして,そのような研究のモチベーションを保持した上で大学進学を考えてほしいとアドバイスをいただきました。
最前線で研究されている方を目の前にして,ゼミのメンバーは大変大きな刺激を受けました。安藤先生の言葉を胸に,これからの課題研究,大学進学を自分にとって有意義なものにしてほしいと思います。
安藤先生,ご多忙中にもかかわらず,ご指導いただきましてありがとうごじました!