社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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10月14日(土)にEEP(エンタープライズエデュケーショナルプログラム)講演会が行われました。15期生海外FWの一環として位置付けられた講演会で,今回世界で活躍されている方にお越しいただき,なぜ海外に行くのか,何をするために海外に行くのかをあらためて考えるきっかけとしました。講師としてお越しいただいたのは,NPO法人テラ・ルネサンス創始者であり,理事長である鬼丸昌也さんです。
鬼丸さんの公式プロフィールより抜粋。
認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事・創設者。1979年,福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い,『すべての人に未来をつくりだす能力がある』と教えられる。2001年,初めてカンボジアを訪れ,地雷被害の現状を知り,「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月,大学在学中に「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「テラ・ルネッサンス」設立。2002年,(社)日本青年会議所人間力大賞受賞。地雷,子ども兵や平和問題を伝える講演活動は,学校,企業,行政などで年100回以上。遠い国の話を身近に感じさせ,ひとり一人に未来をつくる力があると訴えかける講演に共感が広がっている。
代表的な著書には, 『ぼくは13 歳 職業,兵士』 合同出版 2005年, 『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』 こう書房 2008年 『僕が学んだゼロから始める世界の変え方』 扶桑社 2014年 などがあります。
講義タイトルは「鬼丸先生と世界を考える」。当日,7階大講義室に鬼丸さんが登壇するとすぐに,「全ての人に未来を変える力がある」との言葉よりご講演が始まりました。自ら出向いたカンボジアの地雷原の写真を投影しながら,お話を進められました。現地に行き,実際に活動に従事しておられる鬼丸さんの話,そしてその臨場感は圧巻。生徒たちはみるみるうちに引き込まれて行きます。カンボジアで地雷撤去作業に従事し,「地雷が今の問題ではなく,未来の問題である」ことを認識するも,「目の前の課題に対して何もできない自分が見つかった」と。世界の最前線で活躍した経験から発せられる思いを,生徒たちが日々感じる実生活レベルの話に落とされてお話が進みます。「何かに対する自分の能力のなさを思いやりでカバーすることはできるが,その逆は不可能である」「あきらめることは考えることをやめることである」。鬼丸さんがもつ大きなリアリティと,緩急をつけた話ぶりに生徒たちはメモを取りつづけていました。最後このように語られました。「独自固有の長所が必ずある。それは経験や勉強から見つけることができる。そしてその長所は世界の誰かを救う」。
講演会は無事終了しました。その後,鬼丸さんの話に共感し,さらに聞きたいという生徒たちとともに,ランチミーティングをすることになりました。
昼食をとった後は,鬼丸さんを交えてワークショップを行いました。生徒スタッフ,事前申し込み者,当日参加者,さらには3名の教員も含め,合計25人の会となりました。ファシリテーターは今回のEEP講演会の計画立案から関わりつづけてくださっていた,「三四郎の学校」日賀さんです。4〜5人が座れるテーブルに大きめの模造紙を貼り付け,ペンが配布されます。そのテーブル一つを一つの「国」とする設定です。今回のワークショップで考えるテーマは「世界を変える力とは何か」です。このような解のない問いに対して,生徒たちはあれこれと思考を巡らせます。
手順は以下の通り。テーブルの中心にはテーマが書かれており,その周辺もしくは自分の目の前のスペースに,自らの意見を書き出して行きます。それを元に議論を行い,グループで一定の結論を導き出します。その後,各テーブルのグループから1名だけを残して,他の人は他の「国」へ散らばり,自分の「国」ではどのような議論をしたのか,またどのような結論に至ったのかを話し合います。生徒たちは,日々の教科授業で得た知識を総動員し,しっかりと相手の意見に耳を傾けながら,対話をすることができていました。今回のワークショップで特筆すべき点は,「大人」が同じ立場で議論に参加したことです。3人の教員と鬼丸さんという大人が,教員としてでも,観察者としてでもなく,同じテーブルにつき,同じ目線で議論をすることができました。
ワークショップ後は,生徒スタッフで本日の振り返りを行いました。まず,今回のEEP運営を通して「よかった点」をひたすら列挙していきます。するとあっという間に,ホワイトボードが埋め尽くされました。振り返り,反省会と言うと,次への改善を目的としたものとなりがちです。しかし,「よかった点」を先に上げることで,前向きな反省会となり,自分たちの運営がしっかり機能し,実績となったことを再確認できました。
10月14日(土)は土曜講座も実施されており,貴重な講演会でありながらも,生徒たちにとっては大変な側面もあったかと思います。しかしながら,今回のEEPのために組織された生徒スタッフの事前プロモーション,生徒たちによる当日の運営によって無事に終えることができました。15期生のみなさん,お疲れさまでした!この経験をぜひ,海外FW各コースで生かしていきましょう。