社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
〒604-8437 京都市中京区西ノ京東中合町1[MAPを見る]
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4月9日(月)10時25分から,7階京一商西京メモリアルホールにて,エンタープライジング科第16期生の入学を祝しての「記念講演会」を行いました。
講師は,本校学術顧問の服部重彦先生(株式会社島津製作所相談役)です。「私のターニングポイント」と題して,新入生及び保護者の皆様に対して,約35分間お話し下さいました。今回,生徒の感想文を紹介します。
あらためまして,この場をお借りして,服部先生にお礼申し上げます。
[本校学術顧問について]
「京都市立高等学校学術顧問等設置要綱」に基づき,将来を展望した魅力ある新しい高等学校の具現化を図ることを目的として,教育内容,学校運営,育成すべき人材像等,高校が行うすべての学校教育活動及び研究活動に対して,専門的な見地から御指導・御助言をいただくため,本校エンタープライジング科開設以来,京都市教育長が委嘱しています。
第1期の学術顧問は,元京都大学総長の西島安則先生(平成22年9月御逝去)と株式会社堀場製作所最高顧問の堀場雅夫先生(平成27年7月御逝去)にお願いしておりました。
平成23年4月からは赤崎勇先生(名古屋大学特別教授・平成26年ノーベル物理学賞)に御就任いただき,堀場先生と赤崎先生のお二方から折に触れて御指導をいただいておりました。
堀場先生の御逝去に伴い,新しい学術顧問として平成28年4月から服部重彦先生に御就任いただくこととなりました次第です。
[服部学術顧問のプロフィール]
服部学術顧問は,昭和16年(1941年)に愛知県でお生まれになり,昭和39年(1964年)4月に株式会社島津製作所に入社されました。
平成元年(1989年)に島津製作所のアメリカ合衆国現地法人社長に就任され,その後平成5年に株式会社島津製作所取締役に就任され,平成9年から常務取締役,平成15年から代表取締役社長,平成21年からは代表取締役会長を歴任され,平成27年に相談役に就かれ,現在に至っています。
入社以来一貫して分析装置の開発に従事しておられましたが,30代の半ばで米国駐在となられた際には,デモンストレーション用の機材を車に積み込み,不自由な英語で伝手も無い地を一軒一軒営業する日々を過ごされたそうです。
この頃の体験から,「経験が知識の根拠であり,ただ一つの根源である」という考えをお持ちになるに至りました。
御趣味は,毎朝のウオーキングと家庭菜園とのことです。
平成19年4月 藍綬褒章 受章
平成28年4月 旭日重光章 受賞
私はもともとそんなに,人前に立って何かをしたり,進んで何かに取り組んだりという事は得意ではありませんでした。本日のご講演を聞いて,経験することの大切さがわかりました。お話の中で「前向きに」「思い切って」「失敗してもいい」というようなポジティブな言葉が,とてもたくさん出てきていました。そのように何事にも消極的ではなくて,自分から積極的な決断をされてこられたからこそ,自分の経験をお話されるときにもポジティブな言葉が使えるのだろうなと思いました。
西京は,エンタープライズ精神を掲げている学校です。私はその学校の生徒であるという事を忘れず,これからの高校生活を全力でぶつかっていきたいと思いました。これからの経験が自分の将来につながることを,しっかり覚えておきたいと思います。
今日のお話を聞いて,たとえ困難なことがあっても恐れず立ち向かっていくことが大切なのだと感じました。でもそれは成功しなければならないというわけでなく,失敗してもいいのだという事に気づくことができました。失敗を失敗のまま終わらせてしまうのではなく,次にどうやったら成功することができるのか,なぜだめだったのかを常に考えるようにしていきたいと思いました。また,これからの社会では世界を意識しなければならないという言葉がすごく胸にささりました。それは,世界に飛び立つという事だけでなく,日本にいても日本人だけで生きているのではないという事を意識することだと思います。これから進路を考えていくにあたって自分は世界にどう貢献できるかということを重視していきたいと思います。
決断に迫られたときや辛いときに逃げないことが大切だというお言葉が印象に残りました。お話を聞いた中で,服部先生は苦しいことから逃げずに向き合ってこられたと分かりました。これは,分かっていても簡単にできることではないと思います。しかし,向き合うことでしか得られない経験や成功があるのだという事を,先生のお話をうかがって改めて思いました。また,苦しいときだけでなく「やるかやらないか」という決断をするときも,服部先生はいつも挑戦する方を選んでおられました。前向きな決断がいい経験につながると思います。
今回のご講演を聞いて,私は逃げずに挑戦することの大切さを改めて知りました。これからの高校生活でさまざまなことに挑戦していきたいです。
私は今日,高校生になりました。これは大きなターニングポイントであり,新たな出発点です。環境が変われば,これから超えることになるであろう壁も変わってくると思います。その大きな困難から自分の弱さを理由に逃げるのではなく,自らの意思をしっかりと持って大切な経験を積むことによって立ち向かっていける,そんな人になりたいと強く思いました。先生はアメリカ赴任中の火事未確認事件,到着先誤認識事件などを経て,いかに社会のコミュニティーに属し,言語を学んでコミュニケーションをとることが大切かを学ばれています。今,私が住んでいるのは日本です。日ごろから多言語を話すことはあまりありません。しかし,他人とコミュニケーションをとり,学び,そして発信することはできると思います。やってきた新たなターニングポイント。自分にとってどうするべきなのか。どう行動するのか。決して人のせいにするのではなく,自ら進んで考え,周りと協力し合い,経験をかてとして立派に乗り越えていき強くたくましい人になることを誓います。
私はこの講演を聞いて,海外に行きたい,留学をしたいという思いが強まりました。なぜなら,服部先生は知識だけではない自分がした経験の大切さをお話しいただき,経験にもとづいて逃げずに立ち向かうことが必要だと気付かせていただいたからです。他の人から見るとかわいそうだとか辛いだろうなと思われるような経験でも,自分の中でのとらえ方やその後の行動次第でその人にとって良いものにも悪いものにもなると思いました。
また,服部先生のお話の中で「失敗してもいい」という事を繰り返しご発言されていたことも印象に残りました。「失敗は成功のもと」という言葉があるように,なぜ失敗をしたのかをポジティブに考えて失敗をうまく使おうと意識して生活しようと思いました。失敗して不合格になることを恐れて留学への応募を少しためらっていましたが,今回のお話を聞いて合格になっても不合格になっても,自分の姿勢次第で学ぶことはたくさんあると分かったので,どんどん挑戦していきたいです。