社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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夏季講座中の7月30日(月)EP1の時間には,「日本のポップカルチャーの分析ポスター発表会」が行われました。
本取り組みは「ポップカルチャー」を、最近流行っているもの・こととして広義に捉え、それが「日本社会の何を表しているのか」「なぜ観るものにウケるのか」のいずれかの問いに対して仮説を設定し、その仮説設定までの論証の流れをポスターに図式化するというものです。16期生EP1では、4月の学習合宿からクラス横断的な班形成をしており、今回も内外融合班での発表となります。
以下にいくつか生徒発表例を挙げます;
乃木坂46は日本にとってのかき氷ではないか
卍は周りに流されやすい現代の性格を表しているのではないか
質問箱は共働き社会の象徴ではないか?
男女平等への道のりを歩むプリキュア
荒野行動は受験である
アイドルグループの「乃木坂46」と「かき氷」,さらには若者言葉の「卍」と「現代人の性格」など,一見関係がなさそうな2つの項目を仮説的に≒で結び,その理由を説明していきます(今回は厳密な実証作業は求めていません)。
本校の多くの生徒は,「与えられた問題」に対して作成者の意図する「解答」を導くことには慣れています。しかしながら,ポップカルチャーの分析を経て,以下のことが伝わったと思います。
1.多様な「解」があっていいこと:問いと答えがセットになった「知の学校モデル」を乗り越える。
2.確定的な結論を求めるのではなく,仮説的な結論をもって世に問い,議論を活性化し,新しい問いを発見すること。
3.基礎知識の重要性:仮説設定をするためには,そもそもそこにたどり着くまでにベースとなる知識が必要であること(社会で起きていることや各教科で学ぶ知識の重要性)
講評で藤岡先生からもお話があったように,夏休み明けのEP1では,「立てた仮説を人々に納得してもらうためには何が必要なのか」という段階に入ります。3月に行われるFWでは一体何をするのか,という点を意識しながら取り組みましょう。
また今回の発表会の企画と運営はすべてEP1委員がやってくれました。ポップカルチャー分析というコンテンツこそは用意されていましたが,授業運営や発表形式,パネルレイアウト,フィードバック用評価用紙などはすべて生徒スタッフ案です。忙しい中,毎週水曜昼に定例会議を行い,議論が行き詰まるたびに臨時会議を開いたりと,大変な1ヶ月だったと思います。もちろん計画通りにいかない部分もありましたが,とりわけ委員活動に携わってくれた生徒たちは大きな成長を遂げたことだと思います。
最後になりましたが,今回の発表会にお越しくださった保護者の皆様,ありがとうございました。今回の活動の目的の一部に議論を「共有する力」掲げていました。普段顔を合わせる友達に何かを説明するというのは簡単です。お互いよく知れた人なので,簡略化した説明,あるいは場の空気感で伝わってしまうことがあります。しかしながら,3月の海外FWでは,「まったく前提の共有できない相手」と対峙しコミュニケーションをとることになります。その際に,自分の主張を相手に理解してもらう,つまり共有するためには,聞き手がもっている情報を認識した上での丁寧な説明が必要になります。そのステップとして,今回は教員以外の大人という「前提の共有できない相手」が聞き手にいるという事実がとても大きな意義をもちました。今回ご覧いただいた通り,16期生は本当にまじめに,意欲的に活動してくれています。家庭内におかれましても,今後ともに応援のほどよろしくお願いいたします。