社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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秋季休業中の10月13日(火)10時30分から15時30分まで,京都大学医学部構内にあります「放射線生物研究センター」にて,西京生への特別授業が行われました。
放射線生物研究センターは,放射線の生物影響に及ぼす基礎的研究,研究交流,そして社会への情報発信を目的とする全国共同利用・研究拠点で,次世代の研究を担う人材育成にも精力的に取り組んでおられます。その一環として,平成24年度から本校生希望者に対する特別授業をセンター内で行っていただいており,大学の先生方から親しく講義を聴き,実験をさせていただけるまたとない機会として生徒たちから好評を博しています。(昨年度のみ,諸般の都合からセンターではなく西京にお越しいただき,校内での講演会という形で実施)
今回は,1年生8名が参加しました。
午前中は,「ようこそ染色体美術館へ」という題目で,生物の遺伝情報である染色体についての基礎的な解説を行っていただきました。
染色体の構造や複製と分配等,1年生にとってはやや難しい内容もありましたが,それぞれの染色体は対になっているということを「靴下がそろっている状態」,染色体がばらばらにならないように繋ぎ止めているものを「ピン止め」等,平易でイメージしやすいな表現やイラストを使いながら説明して下さいましたので,生徒たちもしっかりと理解しながら聴くことができていたようです。最新技術による染色体の塗り分けの画像もお示し下さり,ガン細胞は染色体の数が不ぞろいであったり,まだら模様があったりするということの理由やその原因の説明には,生徒も興味深そうに聞き入り,熱心にメモをとっていました。
午後は,「How to サイエンス -細胞周期の研究手法-」という題目で,細胞周期の研究の歴史とともに実際に研究者がどのように研究を行い,どのようにそのデータを解釈するのか,といった発展的な内容の講義をまず受けました。
さらに,2回の講義の後に行われた実習では,生徒自身が様々な酵母変異体の長さを測定し,そのデータを論理的に考察するとどう結論できるのかを実体験しました。
ちょうど1年生は,「生物基礎」の授業で遺伝情報と染色体について学び,さらに細胞周期についても基礎的な学習を終えたところでしたので,これ以上ないくらい良いタイミングでこの特別授業を受けることができました。このようなことから生徒たちも講義の中で多少専門的な用語が出てきても問題なく受け入れることができたようですし,実習では”自身が得た生の実験データを解釈する”という難易度の高い課題も,楽しく達成することができました。
研究の世界の一端を体験した一年生たちにとって,自身の将来を思い描く一つの材料になれば幸いです。
生徒の感想です。
「学校の授業で学習した細胞の仕組みについて再確認でき,新しい要素も入っていたので,スムーズに実習へ進むことができました。今までに使ったことのない器具を使い,大学の先生からの説明を受けながらの実習はとても新鮮で,研究者の気分を味わえたと思います。また内容については,生物学的な不思議な事柄を興味を持って理解することができたので,勉強になりました。酵母を身近に感じることができ,”生きるための仕組み”の魅力が大きく膨らみました。深く貴重な体験になったと思います。」
お忙しい中,本校生のために貴重な機会を設けて下さいましたセンターの松本智裕先生,古谷寛治先生,誠にありがとうございました!