社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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4月8日(月)10時から,7階京一商西京メモリアルホールにて,西京高校エンタープライジング科平成31年度入学式が挙行され,本校附属中学校および府下の各中学校から合計279名の新入生が,晴れて「エンタープライジング科第17期生」としての歩みを始めました。
以下,竹田校長は式辞を紹介します。
「平成15年,本校の伝統のさらなる充実と発展を図るために,『進取・敢為・独創』の校是の下,未来社会を創造するエンタープライズシップにあふれた,21世紀をリードする人材を育成するとの教育理念を掲げたエンタープライジング科を開設いたしました。
エンタープライズシップとは,変化の激しい現代社会において,常に新しいものを追い求める「進取の気性」,あえて困難な事にでも立ち向かおうとする「敢為の気概」,誰のものでもない,自分独自のものを創造していこうとする「独創心」,この三つを総称するものであります。我々は,このエンタープライズシップをエンプラ魂と呼び換え,常にチャレンジブルな行動をとることを心がけています。
この4月に行なわれる学習合宿には,生徒スタッフとして参加したいと三分の一以上の新入生の皆さんが名乗りを上げてくれていると聞いています。この事は,すでに,みなさんが,エンプラ魂を理解し,行動に移してくれた第一歩ではないか,と嬉しく思っています。
本校は,社会課題に対する幅広い関心と深い教養に加え,コミュニケーション能力,問題解決力等の国際的素養を身に付け,将来,国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成に積極的に取り組む高等学校として「スーパーグローバルハイスクール」に指定されています。そして質の高いカリキュラムの開発・実践を進めるとともに,その体制整備に努めています。
また,昨年,12月には内閣府の提唱する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP):ビッグデーター・AIを活用したサイバー空間基盤技術」に基づき数億円の予算の中で「エビデンスに基づいたテーラーメイド教育の研究実践」を京都大学を中心に東京大学,九州大学,慶応大学と研究連携することを決定いたしました。コンピューターのネットワーク環境を整えたり,教科書をデジタル化したりする等,ツールとしてICTを活用する今までの「教育の情報化」とは全く次元が異なり,生徒たちの学習状況をAIが判断して生徒は「どこで,つまずいているのか。」「どの部分が学習できていないのか。」を分析・見える化することによって,それぞれの生徒に合った学習方法を決定し提供するものです。これが実現すれば子どもの学習の仕方も教師の役割もそして教育の在り方も大きく変化します。在籍する西京の生徒みなさんの教育の個別・最適化を進め,そして未来の教育を良くするために,この国家プロジェクトに臨んでいきたいと考えています。
(中略)
そこで皆さんにお聞きします。「決意」いえ「覚悟」はできていますか。自ら選んだ道としての高校生活に入る覚悟を十分にしてきてくれたでしょうか。
西京高校での高校生活は,自らの意思で,自らと自らの将来のために行うものであり,ここで学ぶことを選択し,許可された皆さん自身が,その責任において行うものです。もちろん学校は,皆さんの将来の夢の実現のために,さまざまな道筋を示し,課題や方法を提示したり,時には超えるべき壁となって,ゆく手をはばむことがあるかもしれません。しかし,どんな堅固な壁であっても,皆さん自身がその課題に果敢にいどみ,何度,跳ね返されても突破するまで挑戦し続けることで,さらに大きく成長していくことを願って,学校はあえて「試練の壁」となっているのだということを十分理解しておいてください。
皆さんが高校3年生になるとこれまで行われてきた大学入試センター試験に代わって「思考力」を重視する「大学入学共通テスト」に挑むことになります。英語における「読む」「聞く」に加えて「話す」「書く」の2技能が民間の資格・検定の活用によって大きく問われることになります。また,個別大学の入試改革もこれに合わせた形で行われていくと予想されます。
このような大学入試改革により,西京高校が実践してきた「主体的,対話的で深い学び」へのプログラムが高く評価され,また重要視されるようになってきました。そういった状況の中で皆さんの学び方はどうあるべきなのでしょうか?
日々の家庭学習によって確実な「知識・技能」を身に付けることは大前提としてありますが日常的に当たり前だと思っていることに疑問を持ち,その事を自分で調べ,考え,更に新しい問いをもつ。従来受験で求められてきた素早く正答する受験勉強とは違った「思考力・判断力・表現力」を西京では求めます。それこそが皆さんが21世紀を生き抜いていくための大きな力となると思っているからです。
西京では本来大学で行うであろう「問い」と「答え」を巡る時間に身をひたすことを求めています。
(中略)
今世の中は加速的に変化しています。その中で人類が長年培ってきた社会や経済の基本的な仕組みが揺らぎはじめています。私たちは,京都大学,東京大学の両総長が重要視されている「対話すること」と「多様性を寛容すること」を大切にしながら人類全体が調和的に発展する社会をつくる必要があると思います。本校に置き換えてみると「人と繋がること」「社会と関わること」すなわち「社会人力」を指しているのではないでしょうか。皆さんには,本校の特色である「実践的英語運用能力」・「情報活用能力」を向上させることはもちろん,形式的なコミュニケーションではなく,考えの違い,文化,民族,宗教の違いをお互いに理解・尊重することによって「多面的な視点」をもち,常に「自らの視点」とは「異なる視点」に身を置き換えて思考することによって二十一世紀をリードするグローバルリーダーとなるように成長していって欲しいと願っています。
結びにあたりまして,本日ご列席の保護者の皆さまに,心よりのご祝詞を申し上げ,さらに力強いご支援を本校教育に寄せられることをお願い,いたしまして,本日の式辞といたします。
平成31年4月8日
京都市立西京高等学校 校長 竹田昌弘
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