社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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11月16日(土),Impact Hub Kyoto にて一般社団法人 Impact Hub Kyoto が主催し,京都府教育委員会・京都市教育委員会などが後援するイベント「ユヌス 氏と語り合うわたしたち高校生の未来」が開かれ,1年生の上野沙智さん,2年生の西嶋萌恵さんと繁田晴章さんが参加しました。
ムハンマドユヌス氏は,貧困層に小額の融資を行うマイクロクレジットを考案してグラミン銀行を創設したバングラデシュ の経済学者であり,2006年にノーベル平和賞を受賞しています。今回のイベントには私たち西京高等学校のほか,京都府立嵯峨野高等学校,京都市立堀川高等学校,京都府立洛北高等学校の計16名の高校生たちが参加しました。
高校生たちは,9月から2ヶ月にわたって,「貧困とは何か」という問題について考えを深めてきました。その中で,各人30枚の紙に30通りの貧困に対する自分の考えを書き,そして,その考えを結集させた成果物として,各校,画用紙やレゴブロックをつかって自分たちが考える「貧困」を表現し,1〜2つの質問にまとめました。
イベント当日は,まずユヌス氏が高校生に向けて 「自分たちの考えを持ち,自分たちで決断・行動していってください」とメッセージを送り,高校生たちの発表が始まりました。
4校5チーム中,最後の発表となった西京高校は,フィールドワークで訪れたインドネシアでの経験を問題提起のきっかけとして発表をスタート。「貧困」は資本主義というシステムがあるからこそ起こるもの,しかし,資本主義の代用として社会主義になるとすれば,それは,「進歩」を阻むことになるのではないか?そうだとすれば,資本主義でもなく社会主義でもなく,他の政治経済のあり方が必要なのではないか?という問題を考えていった経緯を話し,“Which would be better, capitalism, socialism or another system? ”という質問をユヌス氏に投げかけました。
ユヌス氏は,資本主義にも社会主義にも問題があるということを指摘した上で,「貧困は,貧しい人々ではなく,資本主義という『ゲーム』によってつくられたもの。人々は,その『ゲーム』にふけることに忙しくなっているが,私たちがすべきは,その間違った『ゲーム』の誤りを正すために,一人一人の人々に平等な機会を与えて新しいシステムをデザインしていくことだ。私は,この資本主義という『ゲーム』を変えるために,お金を増幅させることでなく,問題を解決することに主眼を置く『ソーシャルビジネス』というシステムをデザインした。」と答えました。
3人は,ユヌス氏の一つ一つの言葉に終始,熱心に耳を傾け,緊張の面持ちを見せながら発表全体を楽しんでいました。このイベントへの参加が,エンタープライジング精神を発揮して,3人が,新しいシステムをデザインしていく大きな糧になったことと思います!
Photo:©2019 Naoyuki Ogino