社会に羽ばたくグローバルリーダーの育成
エンタープライジング科
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第8回「能楽交流鑑賞会」を行いました!
平素からさまざまな形で本校教育充実発展のためにご支援いただいています一般社団法人京一商西京同窓会様の主催により,12月10日(火)午後,金剛能楽堂において「能楽交流鑑賞会」を行いました。
これは,同窓会運営の2つの柱である「育英事業を通じての社会貢献」と「会員相互の親睦交流」とを一つにする行事として,平成24年度(10期生が1年生であったとき)から始まったもので,今回8回目となります。
第1学年生徒約280名と,生徒からすれば,いわば祖父母世代に当たる方々を中心とする同窓会の皆様約150名の先輩諸氏とが一堂に会し,市村延之同窓会理事長のご挨拶で会が始まりました。
第二十六世宗家金剛永謹氏をはじめとする金剛流御一門様及び,茂山家の皆様のご出演により,「解説及び体験」,狂言「附子」,休憩をはさんで能「通小町」という番組構成で,約2時間にわたり熱演を繰り広げて下さいました。
生徒がこの交流鑑賞会をより楽しめるようにと,11月28日に,金剛流様のご協力をいただきまして,本校で事前学習を開催しました。金剛流能楽師・宇高竜成様にご来校いただき,能の歴史や所作,能面や装束などの様式や意味,また,能の魅力を表す「幽玄」や「抽象性」などについても理解が深められるよう,初心者にもわかりやすくお話いただきました。
当日は初めに,同じく金剛流能楽師・種田道一様により,物語のあらすじや舞台の意匠などについてご説明を受けました。本校の代表生徒7名が舞台に上がらせていただき,種田様のご指導のもと,扇子を携え舞台を歩き,演者側からの眺めを経験するという貴重な学びを体験させていただきました。見るとするとでは大違いの「動きの難しさ」を実際に体で感じ,一見簡単そうに思える所作が実は大変であることなどを楽しく経験し,多くの発見を得ました。
能楽鑑賞は,生徒たちのほとんどが初めての経験でしたが,生徒それぞれに様々に感動し,想像を掻き立てられたようです。生徒からは「事前学習のおかげで,とても興味を持ち鑑賞することができました。実際の舞台で本物に触れることができ,能の世界の魅力にどんどん引き込まれていきました。」「能面は角度によって表情が変化することを教えてもらったけれど,能面はとてもあいまいな表情をしているように感じた。能の状況に応じて,観客が作っていくものであると感じた。」「能では間を沢山取り,一文字を伸ばして動作もゆっくりで,そのゆっくりした時の流れが能の表現の豊かさ,創造性を生み出しているのではないかと感じた。」「狂言は,思っていたよりも演者の表情が豊かでドラマティックだった。独特な抑揚がかえって心に響き,想像が膨らんだ。能は,一期一会の精神が関係していると事前に学んだが,まさに観客と舞台上の人々とで,今・この瞬間だけの空間なのだという緊張感を感じた。」など,深く心を揺さぶられたという感想が多く寄せられました。「このように素晴らしい機会を与えてくださった同窓会の皆様に感謝し,これらのことを楽しめるような深みのある人生をおくってみたい。」などの感想もありました。
本日の会は同窓会様の全面的なご協力によって実現しました。また,金剛能楽堂のすばらしい舞台での鑑賞は,場がもつ「力」を直接感じながら,同じ学窓の高校生と同窓会員が「能・狂言」をともに鑑賞し,日本文化の粋や懐の大きさ,良さや魅力を再発見する大変良い機会となりました。未来のグローバルリーダーとして,国際社会での活躍が期待される若い生徒たちが,日本の伝統文化や芸術に関心をもち,その美意識を世界へ発信するための第一歩となったことと思います。
また,この機会を通じ,生徒は西京の先輩方が紡いできたつながりの強さを実感し,様々な形でご支援をいただいていることへあらためて感謝していました。
同窓会の皆様,金剛流の皆様,茂山家の皆様,誠に有り難うございました。
[写真]
1枚目 事前学習の様子
2枚目 事前学習の様子
3枚目 事前学習の様子
4枚目 能楽体験の様子
5枚目 能楽体験の様子
6枚目 狂言「附子」
7枚目 能「通小町」
8枚目 代表生徒の謝辞