その「わくわく」がありたい未来をソウゾウする
美術工芸科
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9月3日(日)にPTA主催の校外研修「京都市京セラ美術館バックヤードツアー 学芸員のお仕事って?」を開催しました。当日はお天気にも恵まれて、43名と多くの方にご参加いただきました。京都市京セラ美術館学芸員の長尾衣里子さんと森光彦さんにそれぞれお話を伺い、コレクションルームでのギャラリートークとバックヤードを見学しました。
最初に、長尾さんからお話を伺いました。高校生の時、家族旅行で訪れた美術館での現代アートとの出会いから学芸員として働く現在にいたるまで、どのような道を歩まれたかお話いただきました。作家や作品を通して自分の中に生まれるさまざまな疑問を追求し続け、学ぶ姿勢を持ち続けておられる長尾さんの「学芸員になることがゴールではない。常に自分の原点に立ち返ることが大切。」という言葉が印象的でした。
次の森さんは、学芸員の定義や役割、実際にどのような仕事をされているのか事例をまじえながらわかりやすく教えていただきました。また、学芸員に至る経緯や仕事のやりがいなど森さん自身のお話もお話いただきました。森さんもまた、「アートは、自分の知らない価値観を発見してアップデートされるもの。明日からより良く生きられる手助けとなるもの」と学芸員の仕事を通して常に研鑽を積んでおられる姿に感銘を受けました。
講演の後は、2つのグループに分かれて、長尾さんが担当された現在開催中のコレクションルーム夏期「特集 人間国宝 稲垣稔次郎 ―遊び心に触れて―」にてギャラリートークとバックヤードの見学を行いました。
長尾さんのグループでは、作家の思いや作品のコンセプトを何十年経ても繋いでいくということを大切にしつつ、「京都市京セラ美術館にしかない作品や展覧会を見たい!」というお客様の思いも織り交ぜて、コレクションに関する展覧会を作っておられる、というお話をお聞きしました。
森さんのグループでは、展覧会の空間がどのように作られているか、作品をどのように展示するか、展示会をプロデュースする学芸員目線に立って、解説していただきました。
最後に、学芸員さんの仕事場であるバックヤードを見学して、研修を終わりました。
学芸員の仕事について、大切なものや楽しさなど直接お話を聴くことで、大きな刺激をいただきました。また、今後、作品を鑑賞する時にはこれまでと違った見方ができそうで、美術館に行くのが楽しみになりました。
ツアーではハプニングもあり、参加いただいた方にはご迷惑をおかけしました。アンケートで皆様からいただいたご意見は今後の企画に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。