その「わくわく」がありたい未来をソウゾウする
美術工芸科
〒600-8202 京都市下京区川端町15番地[MAPを見る]
TEL. 075-585-4666 FAX. 075-341-7006
鴨川河畔の桜並木が、薄ピンクの花弁を広げて春の訪れを告げ始めています。この度も、京都市立美術工芸高等学校の校長を務めさせていただくこととなりました名和野新吾と申します。新年度の始まりにあたり、生徒の皆様、保護者の皆様、そして学校関係者の皆様へ心からのご挨拶を申し上げます。
本校は、明治13年(1880年)に、日本最初の画学校「京都府画学校」として京都御苑内に創立しました。明治22年(1889年)には京都市へ移管され「京都市画学校」と改称、のち「京都市美術工芸学校」、「京都市立美術工芸高校」と改め、戦後昭和24年(1949年)には「京都市立日吉ケ丘高等学校美術課程」として設置されることになりました。その後昭和55年(1980年)には、美術工芸単独の専門学校「京都市立銅駝美術工芸高等学校」として元銅駝中学校の校舎においてスタートを切り、昨年度末までの43年間という長い期間、教育活動を継続して参りました。そして昨年2023年4月1日、現校舎に移転し、「京都市立美術工芸高等学校」として新たな歴史の一歩を踏み出しました。
この長い歴史の中で本校は京都の美術工芸界を牽引し、文化勲章受賞者を含む多数の著名な卒業生を輩出するなど、文化芸術と産業界に貢献してきました。このような伝統と歴史のもと、生徒たちは美術・工芸・デザインの各分野で基礎から専門性の高い知識と技術を学び、将来社会に貢献する力を身につけています。
美術や芸術は、単なる文化遺産の継承やコミュニケーションの手段を超えた、社会における必要不可欠な要素です。これらを通じて、豊かな人間性を培い、生活の質を向上させ、社会の包摂性を促進し、多様性を尊重する社会の形成に寄与すると我々は確信しています。そして、美術を通した教育活動は、ソウゾウ(想像・創造)力、柔軟な思考力、他者とのコミュニケーション能力などを養います。これにより、生徒たちは多様な価値観やアイデアを受け入れ、これからの社会で必要とされる多様性と包摂性を理解し、尊重する心を育みます。美術や芸術を通じた学びは、生徒たちにとって、自己のアイデンティティを探求し、広い世界における自己の位置を見出し、さまざまな視点から物事を考察する力を身につける貴重な機会となります。
今後も本校は教職員一同、生徒の個性と感性を大切にし、一人ひとりが持つ無限の可能性を引出し、目まぐるしく変化する社会の中で、未来を切り拓く青年を育成することに努めて参ります。
最後に、保護者の皆様、同窓生の皆様、そして地域社会の皆様へ、これまでと変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
令和6年4月1日
校長 名和野新吾