その「わくわく」がありたい未来をソウゾウする
美術工芸科
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4月16日(火)の午前中は,1年生スタートアップ研修2日目でした。
「3年間の美工の学びの流れを知り,その中での学習の位置づけや方法について学ぶ」という1日目と共通の目的とともに,2日目は「広い視野で柔軟に深く思考できる『考える力』について学ぶ」というテーマを持って,3人の教員からレクチャーを受けました。
1つ目の「著作権について。生成AIについて。」では,情報が溢れ,表現方法も多岐に渡り溢れている時代にどのように制作を続けていくかということについて,一人ひとりが考えてほしいというメッセージが投げかけられました。美工では生成AIのことも含め,時代の先端的な内容も知ることを前提として学んでいきます。世の中に起こっていることを自分ごととしてとらえ,「自分だったらどうするのか」という観点で常に問いかけていってほしいです。レクチャーのなかにあった,「まずは疑ってみる」,「答えを先生や他者に委ねない」,「自分で考え続ける。諦めない。」など力強いメッセージを学びのエネルギーにしてもらえると嬉しいです。
2つ目の「美工での学びについて」では,長い歴史のなかで,「人がなぜ,表現し続けてきたか」ということを切り口に,ラスコー洞窟の壁画,環境との関係性において創造された作品,作家のこだわりやまなざしなどが伝わるドローイングや写真などを紹介し,時代の移り変わりのなかで,環境へのまなざしや人への愛情に拠って,常に力強い表現が生まれてきたことを学びました。
美工では,より専門的な内容を,他教科とのつながりの中で豊かに学んでいきます。中学校の美術からステップアップし,「自分が作りたい,表現したいという欲求がどこからくるのか」,「作家のこだわりはどこにあるのだろうか」などの作品の源泉に向き合い,美工生になった新入生が様々な出会いの中で,とことん深く,幅広く,学んでいってほしい,という教員の熱いメッセージが届いたのではないでしょうか。
3つ目は「鴨川スケッチ」。出発前に,「観察する」ことについて考えるレクチャーを受けました。ありのままを見つめる,観察を大切にすることを通して,「自分の視点を持つことができる」ことは基本であり,ある意味では難しくもあり,とても大切であることを意識しました。見たものをインプットして豊かに表現するためには,「感じる,考える,表現する」という黄金のサイクルが大事であるという教員からのメッセージも新入生に響いていたと思います。
刻々と形を変え流れ続ける水のありようや,水面に移る光,鮮やかな菜の花,白い鳥たちを眺め,スケッチにいそしむ新入生は心おだやかな様子でした。
教室に戻ってからは各クラスにてスケッチの発表会を行い,自分とは異なる視点で表現された仲間のスケッチに感動していました。
自分の大切なものや独自の視点を,自信を持ちお互いに見せ合うことができる自他尊重の雰囲気を,今年の1年生も自分たち自身で育ててくれることを心から願っています。