学ぶ 働く 創る 学校
工業技術科
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4月8日(月)17時50分から本校呉竹館3Fホールにて入学式を挙行いたしました。これから始まる高校生活に胸を膨らませて新入生27名は会場に堂々と入場し入学式に臨みました。
入学式の後はホームルーム教室で担任の先生の自己紹介や明日からのことについての諸連絡,教科書の配布等が行われました。
学校長式辞
「世の中は桜が咲いて笑い声」と正岡子規は詠みましたが、春の喜びの象徴とも言える桜が、まさに、新入生の皆さんの入学を祝うかのように、一気に暖かくなり、満開となりました。そして、まさに春、真っ盛りの、爽やかな春風のもと、晴れやかに、新たなスタートの日を、今日ここに迎えることができました。
本日は、平成三十一年度 京都市立伏見工業高等学校 工業技術科 入学式を挙行するにあたり、ご来賓として、京都市教育委員会 学校指導課 副主任指導主事 谷口様、そして、学校評議員としてお世話になっております奥野様、のご列席を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
ただ今めでたく、平成三十一年度新入生、二十七名の入学を許可いたしました。新入生の皆さんは、新元号「令和」が発表されてから最初の、まさに新時代のスタートを切る、そういう意味では一期生です。入学おめでとう。また、保護者の皆様、ここまで並々ならぬご苦労があったであろうと拝察いたします。お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。伏見工業高校 教職員一同、新入生の皆さんのご入学を 心より歓迎いたします。
本校は、昭和十九年四月の創立以来、長年に渡り、有能な人材を、産業界へと送り出してきました。その数は四、八〇〇名を上回ります。多くの方が、夜間に学ぶという厳しい教育環境の中、立派に卒業され、社会で活躍されています。時代の変化とともに、定時制で学ぶ生徒たちの姿も大きく変化してきましたが、高等学校で学ぶことの意義は、大きく変わるものではありません。働きながら学ぶことの意義と、その先にある 身につけた技術を生かして社会に貢献することの意義を、先輩や先生方からしっかり学んでほしいと思います。
今日は、満開の桜を一緒に見ながら、皆さんと楽しく語り合う気持ちで、2つのお話をしたいと思います。どうぞリラックスして聞いてください。
1つ目は、最近見た、テレビドラマの1シーンです。ひとりの老人が孫のような子どもに、こう言います。「ちゃんと働けば、必ずいつか報われる日が来る。報われなければ、働き方が悪いか、働かせる者が悪い。そんなところからは、とっとと逃げ出せばいい。ただ、一番悪いのは、人が何とかしてくれると思って生きることじゃ。人は、人をあてにする者を助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていれば、きっとだれかが助けてくれるものじゃ」と。皆さんの中には、実は、自分の希望がかなわなかった人や、今、社会の厳しさに直面している人もいると思います。でも、悔しさや苦しさは、必ず、成長の糧になります。皆さんには、ぜひ、少々の事ではへこたれない「負けじ魂」を持ってほしいと思います。それこそが人生の宝となるのです。
2つ目は、まだ記憶に新しい、先月の21日、米大リーグ・マリナーズのイチロー選手が東京ドームでのアスレチックス戦終了後に現役引退を表明したこと。その記者会見で、彼はこんなことを言いました。「大リーグ最多記録のシーズン262安打や10年連続の200安打など、数々の記録を打ち立てたが、そんなことは小さなことに過ぎない。」と。どんな栄冠を得ようとも、現状に決して満足することのなかった彼らしい言葉でした。その一方で、こんなことも言いました。「試合に出られなくなった昨年5月以降から『引退試合』までの地道な鍛錬の日々は、『ささやかな誇りを生んだ日々』であり、引退の舞台に立てた『瞬間』が、28年間で最も印象深い。」と。一日一日、一試合一試合に、執念を燃やした野球人の信念がにじみ出ているように思いました。
これらのイチロー選手の言葉を通して、こんな風に思うのです。何事も、「あの時は良かった」と過去の栄光や成功パターンを振り返ってばかりでは、成長はないでしょう。常に「今の自分はどうか」「どうあるべきか」を問い続け、地道な挑戦を重ねる中で、勝利の道は開かれるのではないでしょうか。そういう意味では、「最も手強い壁は、実は、自分の心の中にある」のです。
さあ、勇気を持って自分と向き合い、これから始まるすべての事に、高い目標と志を立て、日々、挑戦し、共に成長していきましょう。
平成31年4月8日
京都市立伏見工業高等学校
校長 加 藤 剛 男