すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
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5月も第三週に入り,初夏の風を感じるようになりました。
これまで,休業期間に本校の20期生(3年生),22期生(1年生)に対して発信したメッセージの一端をご紹介してきましたが,今回は21期生(2年生)に対するメッセージをご紹介します。
二年生になって学ぶ教科が多様化した21期生には,休業期間中に学習者としての自律心を涵養することを目指し,学年主任とクラス担任が中心となって声掛けを行っています。
それでは,21期生へ向けたメッセージを,moodle上に掲載した4月28日付の学年通信から抜粋(一部省略・改変)してご紹介します。
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「つながる」ということ
みなさん,こんにちは。お元気ですか? みなさんと顔を合わせない日々を過ごしていると,授業やSHR,廊下で毎日顔を合わせるということで,知らず知らずのうちにみなさんと「つながり」を感じいたんだなぁと思わされています。
アリストテレスは著書『政治学』の中で,人間は“zoon politikon”「ポリス的な動物」であると定義しています。ここでの「ポリス」とは「最高善を目指す共同体」とのこと。これまで過ごしてきた学校という共同体が物理的に閉ざされた今,私たちがどのように他者とつながっていくか,よい関係を築いていくかということが問われていると感じます。離れているからこそ,意識して「つながる」ことをやっていきましょう。
また,この期間,人と話をしていますか? 誰かと話そう。直接話せる相手は家族に限られるかもしれませんが,友達とも電話やオンラインでのやりとりで言葉を交わすことはできるはず。もちろん,学校もつながる相手に入れてください。担任の先生からの電話を待つだけでなく,みなさんからの電話も歓迎です。困ったこと,話を聞いてほしいこと,大したことでなくても構いません。言葉を交わそう。つながっていよう。
自律
みんなのDaily Report※からは学習のリズムを作れてきている人,学習を進めるのに苦労している人,さまざまであることが見てとれます。本来授業に参加している「50分×7時間」は最低限学習にあてられるべきで,それに加えて「学年+2時間=4時間」の家庭学習が求められています。「学校時間以外に+4時間って大変なことなんだなって実感した」と,やってみたからこそ感じた大変さを共有してくれた人もいます。
こんな時ですが,少し厳しいことを言います。毎日家にいると実感しづらいと思いますが,この期間は「休み」ではありません。授業がなく,周りの目や決められたスケジュールがない中で,自分で自分を学習に向かわせること,言い換えるなら,学習者として自律することが求められています。
この自律は本当に難しい。学習に向かわねば! と思っていても,気持ちがしんどくなったり,学習に取り組む気持ちになれなかったりすることもあるでしょう。当然です。そういうときは,できない自分を責めるのではなく,前向きに取り組む工夫をしたり,思い切って休んでみたりするのも大事ですね。自分を客観的に見つめる目も養っていきましょう。
学ぶ者としての姿勢
Daily Reportからは,それぞれ苦労しつつも,頑張って課題に取り組んでいる様子が見えています。だからこそ,締切に追われて「課題を終わらせる」ことが目的となっていないか,課題のねらいや目的を意識して取り組めているか,今一度,各自点検をお願いします。
「つながり」の話に戻りますが,教科担当の先生にとっては,みなさんからのmoodle上でのレスポンスがとても貴重な「つながり」です。スタディサポートの結果分析やこれまでの経験をもとに,先生によってはまだ会ったこともない君たちの顔や反応を想像しながら課題を出してくださっています。その思いをきっちり受け取って,返してほしい。授業内の取り組みと同様,みなさんの参加を求めます。学ぶ者としての責任を果たそう。
結びに
今後,いつから,どのような形で学校が再開できるのか,まだまだ見えない状況です。だからこそ,自分のすべきことを把握し,主体的に取り組んでいくことのできる「自立する学習者」としてこの期間を過ごすことで,学力・学習姿勢ともに成長していく,自分にとってプラスとなる時間としてほしいです。
また,そんなときに「頑張っている朋※の存在」は,たとえ姿が見えなくても力を与えてくれると思います。それぞれの場所でがんばる背中は,きっと誰かを励ましている。そう思うと,少し前向きになれるのではないかと思います。
京都市立学校でもテレワーク(英語ではRemote Workingと言います)が導入され,日によっては在宅勤務をすることが始まりました。担任団が全員そろうのは週に1日。オンラインでできること,顔を合わせながらやりたいこと,いろいろ感じながら教員も模索を続ける毎日です。画面の向こうにいる21期生一人ひとりの顔を想像しながら,まずはとにかく元気でいてほしいと願っています。
Stay home, stay safe, and save lives. And don’t forget to take time to smile every day! :)
※Daily Reportとは,個人の毎日の学習状況を記録するフォームのことです。
※堀川高校では,「時に助言し合い,時に批判し合いながら,共に探究の道を行く仲間」という意味を表すものとして,「朋」という漢字を使っています。
-------ここまで-------
強制力の働きにくい環境で,自律的な学習・生活習慣を身につけるのは簡単なことではありませんが,本校は,オンライン・郵送・電話相談を含めた学習支援環境を整えることで,これを達成すべく努めています。新型コロナによる休業期間はすでに二ヶ月を超えていますが,現在の危機的状況が一日も早く終息することを願いつつ,生徒と学校,人と人とのつながりを維持し,生徒の生活と学習をサポートしていきます。