すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
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「森」の22期生が巣立った3月20日、「景」の2年生23期生と「息」の1年生24期生の2学年による後期終業式を実施しました。
2年生は、先週に行われた「春の学習会」や「卒業生に学ぶ」、「コミュニティカレッジ講演会」などを通して学び、刺激を受け、ギアを一段階上げた。いよいよ3年生に向けてさらに高みをめざしてほしい。
1年生は、自分たちで掲げた全体テーマ「全開」を基に実施した宿泊研修を終え、充実感や達成感を抱き、外に触れ自己の変化を実感した。2年生に向けてまだまだエネルギーを蓄えていってほしい。
私は、先日の卒業式での「卒業生のことば」を紹介した。
いろんなことに気乗りしなかった自分、周囲の人たちを理解できなかった自分、斜に構えて学校をみていた自分がいたこともあった。でも、自分の周りには何かに一生懸命になっている人がいる、心から楽しんで笑っている人がいる、自分に声をかけてくれる人がいる。よくわからなかったけど、居心地がよかった。みんなが大切にしているものを、自分も大切にしたいと思った。
また、後期が始まってすぐに、学校の近くに住んでおられる方からいただいた匿名のメールを紹介した。
昨日、御校の男子生徒さん2人が、視覚障害をもたれる高齢男性を助けておられました。白い杖をもたれて、1人で歩いておられた方に、優しく声をかけられて対応されていました。とても優しく勇気のある行動だと感動しました。大人でもなかなか行動に移すことが難しいです。優しさと強さを持っておられてすばらしいと思います。地域の者としてとてもうれしかったです。
1年生か2年生、それとも卒業した3年生なのか。それはわからないが、あらためて生徒たちに敬意を表した。
人に関心を持ち、想像力を働かせ、人がこまっていること、大切にしていること、考えていることを思い、それらに対して寄り添いの姿勢を表すことの大切さと難しさ。卒業生のことばからも、いただいたメールからも教えていただいた。
今回の終業式では、1年生の生徒会長からもことばをもらうことにした。学びの場であり、小さな社会であり、そして楽しい場所である学校。それを創っていくのは生徒たち。その代表である生徒会長から、ぜひ直接、思いを伝えてみてはどうか、と私が投げかけてみたのが約1か月前。その時、その生徒はしばらく考えた後、勇気を振り絞って「やってみます」と。責任の重さを感じつつ、覚悟を決めたようだった。
今日の終業式。私が降壇した後、司会を務めてくれる生徒が生徒会長を紹介する。生徒会長は約500人の2学年全生徒が見守る中、ゆっくりと階段を上り演台の前に立つ。この一連の動きの十数秒が一番緊張したらしい。
先日に終えた宿泊研修では、学校内外の多くの人たちに支えら、愉しむことができた。学校での多様な学び、生徒会執行部での活動、いまここに立っていることも同様に、多くの人の影なる施しによって成り立っている。そう考えると、胸の奥がじんとあたたかくなり、素直に感謝の気持ちが湧いてくる。
自分の置かれた環境について一歩掘り下げ、「なぜ」と問いかけることによって、見えていないものが見えてくる。そうすると「ありがとう」を伝えあうことがもっとできると思います。「星の王子さま」の一節を引用して終えたいと思います。
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。
かんじんなことは、目に見えないんだよ。
終業式が終わった後、生徒会長に感想を聞いてみた。
こんな経験をさせていただき、ありがとうございます。話している最中に顔をあげてみると、これだけの人の前で話しているんだという実感が一気に湧いた。でも、自分の話しをうなずきながら聞いてくれているのを見てホッとしました。
私から感謝を伝えるとともに、その生徒が書いた原稿をいただいた。見ると、協調したい表現や感情を込めてゆっくりと伝えたい箇所が赤字で印字されていた。この舞台に向けての練習のあとがうかがえた。
「見えるものはすべて、見えないところで準備されている。」
午後には、堀川高校を合格して4月から1年生となる合格者のみなさんとその保護者の方々に来ていただく合格者登校日。日中の気温が上がる中、ういういしい姿を見せてくれました。堀川高校へようこそ。
堀川高校の正面玄関にある桜も、間もなくたわわに花を咲かせてくれそうです。
橋詰 忍