すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
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冷たい風がまだ残る中、本日、第76回卒業式を挙行しました。
23期生の卒業生たちは、時折、緊張した面持ちを浮かべながらもキリっとした大人の姿を見せ、これまで培ってきた仲間との絆を確かめ合うような表情を浮かべていました。
卒業生の入退場の際には、吹奏楽部の生徒たちが会場内で曲を演奏してくれました。数年ぶりの生演奏。卒業式に素敵な花を添えてくれました。ありがとうございました。
保護者のみなさまにおかれましては、これまでの間、十分でなかったところやご心配をおかけしたこともございましたが、あたたかくお見守りいただき、支えてくださったことに、厚く御礼申し上げます。
以下に、卒業式式辞の一部を紹介いたします。
23期生のみなさんは「景(ひざし)」と呼ばれてきた学年でした。1人1人が自ら素敵な輝きを持ち、他を照らす存在であってほしい。それぞれの「景」があふれ、照らされたその先には新たな出会いがあり、つどいが重なりあったときのおもむきを味わい、自由に挑んでほしい。そんな思いを込めました。
1月の激励会では「GIFT」という曲の歌詞を紹介しました。
降り注ぐひざしがあって だからこそ日かげもあって
そのすべてが意味を持って 互いに讃えているのなら
もうどんな場所にいても 光を感じれるよ
また、その曲にはこんな一節もあります。
「白か黒で答えろ」という 難題を突きつけられ
ぶちあたった壁の前で 僕らはまた迷っている
迷ってるけど 白と黒のその間に 無限の色が広がってる
これからの人生、いっぱいの難題に出会うことでしょう。そのたびに悩み考え、勤勉に取り組み、楽しむことを忘れず前を見て、心を躍らせながら自分に似合う素敵な色を追い求めていこうとし続けるみなさんを、母校である堀川は、ずっと見守っていきたいと思っています。
自分の中にある、いちばんきれいな色ってなんだろう?
となりの人の中にある、いちばんひかってるものってなんだろう?
そんな最高のGIFTを探し続けてほしい。
そんな最高のGIFTを誰かに届けてほしい。
そして、そんな最高のGIFTをずっと大切にしていてほしい。
そんなことを願っています。
卒業生が、最後のことばを贈ってくれた。
卒業生代表の生徒が壇上に上がり、私の目の前でゆっくりと奉書紙を取り出し、落ち着きのある声で読み始めた。ことばの一言一言に力を感じた。手は少し震えていた。それでも節目節目で手元の文字から目を離して顔を上げ、私を見つめた。まるで、目線の上にことばを乗せて届けようとしてくれているように。
自分の高校生活を貫いてきた「おもしろがる力」に焦点をあてながら語ってくれた。「おもしろがる」ということを、すべきことが与えられるのを受動的に待つのではなく、いかなるものに対しても自ら魅力を見出し、楽しむという能動的行為とし、文化祭や体育祭、探究基礎、日常の学びや語らいなどのさまざまな場面で、いかに「おもしろがる力」が培われ働いたかを、豊かな語彙でもって伝えてくれた。
おもしろがる力とは、
些細なことに気づき、価値を吹き込む力
自分が主体となり、何かを変える力
情熱的になって、何かを突き詰める力
またその生徒は、昨今の世界の状況において光と影が同時に存在することに目を向け、自分たちは影の内を見る「視力」を養わなければならないと決意を新たにしていた。自らの成功や幸福をもってよしとするのではなく、内を見るためにはさらに教養を身につけ、思考力を鍛えることが求められる。そのときに大事なのは、やはり「おもしろがる力」なのだと。
もちろん彼は、自分を見守り慰め、支えてくれた家族をはじめさまざまな人たちに、感謝のことばを届ることを忘れなかった。
本日、23期生のみなさんはここを巣立ち、新しい世界に飛び立っていきます。記憶の中で、堀川で過ごした時間が、懐かしさとともに少しの誇りを感じられるものであり続けることを願っています。
みなさん、お元気で。
橋詰 忍