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普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
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去る11月6日、「LGBTQ+から考える多様性と共生社会」をテーマとして、筑波大学人間学研究員の渡邉歩先生に、下記の主旨で講演をしていただきました。
講演では、LGBTQ+を含め性の構成要素(性自認、身体的性、性別表現、性的指向、出生時の性、ジェンダー)について話していただいた。「性自認」は、自分が自分の性別をどう認識しているかということで、性別表現で判断できるものではない。性別表現により何に「女/男らしい」と感じるかも、個人や文化によって規範が異なり、見た目で個人の性のあり方を決めつけることはできない。社会ではLGBTQ+であるかないかに関わらず誰にでも性別規範が「普通」として強制されがちであり、偏見や差別も生じる。しかし、どんな性のあり方も多様であり、LGBTQ+であることで生きづらさがあるのであれば、問題は個人ではなく、環境や社会の側にある。そういう、人を生き難くしている排除指向の社会を解消し、マイノリティもマイジョリティも共生しやすい社会になるべきである。
性のあり方以外にも「ちがい」はあり、そこに多様な価値や豊かさの可能性がある。また、個人の中にも、多数派、少数派となり得る要素が共存している。「フツー」と略さずに言い換えられる知識を持ち、自分自身も含め多様性と共存できる人に成長してほしい。最後に、高校という大いに悩む時期に、少しずつ、ありたい自分、自分のしたいことを見つけて、それを大切にする学校生活を送ってほしいというメッセージが送られた。
今回の貴重な講演から、「共生社会」の実現に向けて自分が社会でどのような役割を果たすか、生徒たち一人一人が考えてほしいと思います。