すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
〒604-8254 京都市中京区東堀川通錦小路上ル四坊堀川町622-2[MAPを見る]
TEL. 075-211-5351 FAX. 075-211-8975
春の息吹が少しずつ感じられる今日、第77回卒業式を挙行しました。
24期生の卒業生たち。前日の予行ではリラックスした様子を見せていましたが、今日の本番では3年間を過ごしてきた堀川高校生らしく、大人の落ち着きを見せ、緊張感を漂わせながらもやわらかな表情を浮かべていました。
各クラスの代表生徒は力強い足取りで壇上に上がり、凛々しい表情で卒業証書を受け取ってくれました。皆勤賞の表彰状を受け取った生徒は、にっこりとした笑顔。3年間の無遅刻無欠席というのは決して容易いことではなく、本当に素晴らしく誇れるものです。卒業生のことばを述べた生徒は、自分の学校生活に通底した「探究」をあらためて捉え、その中にあふれていた「悔しさ」を深掘りし、新しい未来に向けた跳躍を誓ってくれました。卒業記念品として、電子ピアノ一式をご寄贈いただきました。ありがとうございます。目録を読み上げた生徒は、とても元気な返事とはにかんだ表情。卒業生の歌では、24期生全員の素敵な声がアリーナに響きました。とってもあたたかい、想いあふれる卒業式でした。
以下に、卒業式式辞の一部を紹介いたします。長文にて失礼いたします。
保護者のみなさま、お見まもりいただきましたように、卒業生に証書を授与いたしました。この3年間、十分でなかった点やご心配をおかけしたこともさまざまございましたが、本校教育に対して深いご理解と多大のご支援を頂戴いたしましたことに、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
卒業生たちは新しい学習指導要領によるはじめての教育課程のもと、「自立する18歳」という最高目標に向けて、3年間学びを進め、ここに修了されました。堀川高校が設定した教育課程は、とてもチャレンジングなものでした。力をさらに高めてほしい、個人や集団の価値を輝かせてほしい、目標に向かう荒々しさを備えてほしい。私たちはそのためには何が必要なのかということを、月日をかけて議論し試行錯誤しながら実践を重ねてまいりました。
堀川高校が、生徒たちの居場所であってほしい。混沌としているようにみえるが、それぞれにとってワクワクする時間と空間があり、活動の域や思考の枠が果てしなく広がっている。既成の概念にとらわれず、でこぼこな道を選び、未開の地に足を突っ込んだりしながら歩もうとすることに充実感と楽しみが詰まっている。決して、横並びのありきたりのスピード競争でもなければ、遠回りや突き当たりを否定するスマート主義に陥るのでもない。
心には苦悩や葛藤、違和感といった感情が渦巻く中でも、余裕があり、許容、歓喜、栄光がある。学校というホームが生徒たちを包摂し、集う人々の心と価値、存在をしっかりと、そしてあたたかくつなげている。私たちはそんな環境をつくっていきたいとの想いで、これまで取り組んでまいりました。
卒業生のみなさん、振り返れば3年前の入学式、コロナの感染予防のため、座席を少し離して、マスクを着用し、声を出さずに心の中で歌を歌う。そういった入学式でした。
その3年間のはじまりにあたり、みなさんを「息(いぶき)」と名付けました。においたつ、さざめく、やすらう。ここに24期生という新しい生命が生まれ、3年間の躍動が始まる。息を合わせる。息をのむ。息を切らす。息をつく。そんな変化と刺激、安らぎに富んだ時間を過ごしてほしいと願い、「息」と名付けました。
入学する前の合格者登校日1回目、みなさんと保護者の方に向けたオリエンテーションがありました。そこでは、学年主任の先生からメッセージがありました。3年間を過ごす中で、みなさん1人1人にとっての堀川高校が少しずつ育ち、「堀川高校の卒業生」となって、誇りをもって大きく社会に羽ばたいてほしい、といったものでした。
時は過ぎて3年生の9月。文化祭。台風の接近により、実施が危ぶまれる中、24期生全体を鼓舞しようと、緊急に発行された委員長によるメッセージ。「歩みを止めることなく進み続ける24期生のみんなへ」
一度きりの正真正銘の本番に向けて。
「こんなもんじゃない。強く、大きく、勢いのある息を巻き興そう。」
そこには、月日を重ねてきた堀川高校生の姿があったように感じています。気詰まりな堀川高校を自分たちの手で木っ端微塵にしてやろう、そんな荒っぽさと生意気さ、厚かましさ、私は大好きでした。
1月の激励会。そのときには、I Hear an Owl「フクロウの声が聞こえる」という曲を紹介しました。世の中には二項対立的な側面がある。本当と虚構、混沌と秩序、絶望と希望、孤高と協働、残忍さと慈悲。そういったものが入り混じる世界で、私たちは共存していかなければならない、というメッセージが込められています。
この曲の最後には、「はじまり はじまり」ラララ…、とあります。これから未来を歩んでいくみなさんを応援し、ともに進んでいこうと勇気づけてくれているようです。
これからの人生、いっぱいの難題に出会うことでしょう。そのたびに悩み考え、勤勉に取り組み、楽しむことを忘れず前を見て、心を躍らせながら、自分にしかない、素敵な「らしさ」を、追い求めていこうとし続けるみなさんを、母校である堀川はずっと見まもっていきたいと思っています。
ここに1つ、堀川に大きな歴史を刻んできたみなさんに対し、心から感謝を伝えたいと思います。ありがとう。いよいよ、お別れです。
さきほど、3年前の合格者登校日のことに触れましたが、そのときにはもうひとつ、メッセージがありました。それは、作家である佐藤愛子さんが書いた「少女たちの戦争」という文章の一部でした。
「さようならについて」
人と人が別れるとき、「サヨナラ」というものだと私たちは思っている。しかしよく考えてみると「サヨナラ」といって別れることが出来る別れは倖せな別れだ。私たちが「サヨナラ」を気軽にいえるのは、その人といつかまた会うという安心があるからなのだ。
この学び舎を巣立つ今日、みなさんの「はじまり」を祝して、アトリウムに掲げた「息」の学年旗を、たたむこととします。
卒業式の直後には、卒業生たちの企画による最後のイベントが、アトリウムにて行われました。記憶をさかのぼれば11期生の時、卒業式直後の生徒によるイベントが初めて行われたことを思い出します。卒業生たちが準備し、先生たちや保護者の方々を巻き込んだ“卒業記念式”。すべて生徒にまかせ、先生は何も言わない。行われる年もあれば行われない年もあるこのイベント。当時、うれしくもハラハラしながら時間を過ごしたことが昨日のように感じられます。24期生たちは再び、文化祭の時に躍動したのと同じアトリウムでの「ありがとう」コール。最後の息をさざめかせてくれました。
卒業生たちはここを巣立ち、新しい世界に飛び立っていきます。卒業生たちの記憶の中で、堀川で過ごした時間が、懐かしさとともに少しの誇りを感じられるものであり続けることを願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
みなさん、お元気で。さようなら。
橋詰 忍