すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
〒604-8254 京都市中京区東堀川通錦小路上ル四坊堀川町622-2[MAPを見る]
TEL. 075-211-5351 FAX. 075-211-8975
いよいよ5月を迎えようとしています。堀川高校の正面玄関は,葉桜の緑とキリシマツツジの紅に彩られています。今日は堀川通りを散歩する小さな子どもがお母さんとともに足を止め,暖かな陽を浴びながら木々の様子とその背後を見上げていました。
臨時休業期間が5月17日まで延長されました。3月の初めから数えてもう2か月以上も平常の登校ができないことになっています。また,その後にいつ登校を再開できるかどうかはわからない状況です。
学校という場には,生徒がいて先生がいる。授業では,生徒が声をあげ先生が応答する。またその逆も。ホームルームでは生徒が語らい先生が見守る。時には生徒も先生もいっしょになって言葉を交わす。それがあたりまえ。直接的な場面で頭を寄せあい,考えを述べあい,学びあい,冗談を言いあい,心を通わせあう。「あう」という双方向のやりとりがあらゆるところにあふれ,それを通して自分の居場所を認識したり,振り返ってみたり,新しい自分に出会ったりする。同時に他の人の個性に気づいたりもする。たとえ1人で座っていても,このBIG BOXにいれば周囲の人と空間と時間を共有している。そんな,みなさんにとって大きな意味があったであろう学校生活から離れざるを得ない状況が続いています。1年生の22期生たちは,そんな堀川での高校生活に期待し待ち遠しく思いながらも,なかなかスタートできない状況です。
私たちはそんな中でも,なんとかみなさんの健康状況を把握したり学習課題を提示したくて,moodle等のツールを駆使して発信しています。担任や学年主任の先生たちは,みなさんの“今”を必死に想像しながら声や思いを届けようと,電話をかけたり通信を発行したりしています。教科を担当する先生たちも,自宅学習にふさわしい教材の作成に励んでいます。学力定着に向けた課題,教科書の進度に合わせたワークシート,知的好奇心をくすぐる問い,自宅で体を動かすことを応援する資料,など。もちろん,みなさんも教科に関する質問やホームルームへの投稿で応えようとしてくれている。本当にありがたい。
しかし現状では,学校は発信者としての立場が強く,みなさんは受信者であることが多い。平常の学校であたりまえに行われる「あう」が圧倒的に少ないことにモヤモヤしていることかと思います。もう少し補足説明がほしい,この問いのヒントがほしい,相談に乗ってほしい,先生に声を直接伝えたい,など,さまざまな思いも抱いていることでしょう。ぜひ,みなさんの声を学校へ届けてください。
連休明けから,感染拡大に最大限の留意をした上で,必要な人には学校で個別に先生と話すことができるようにしたいと考えています。現在,その体制を整えています。担任の先生からのmoodleでの案内を待っていてください。私たちもみなさんの声を聞きたいと思っています。“一方通行”を少しでも解消して,みなさんの生の声を聞きたいというのが私たちの思いです。少しでもお互いに「あう」を実感したいと思っています。
橋詰 忍