「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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今年度着任した 北村 光司 校長先生にとっても,初めての入学式でした。
以下,学校長式辞を紹介します。
(前略)
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。京都堀川音楽高等学校 教職員一同、そして在校生一同、新入生の皆さんのご入学を心より歓迎いたします。
皆さんは、本校が昭和23年に「堀川高校音楽課程」として創設されてから数えて、第75期生に、この城巽の地に移転新設され「京都堀川音楽高等学校」となってからは第12期生にあたります。長い歴史の中で、多くの先輩方が努力を重ね、夢を現実のものとしてこられたように、皆さんもここで同じように努力を重ね、自らの将来を切り拓いて行ってもらいたいと思います。私たち教職員一同は、皆さんの努力に、最大限の支援を惜しみません。
(中略)
世界は今、新型コロナウイルス感染症の大流行という大きな困難の中にあります。感染拡大防止のために、様々な制約が設けられ、新しい生活様式を求められるようになりました。多くのコンサートが中止や延期を余儀なくされ、思い切り練習をすることすらはばかられる今は、音楽に生きるものにとっては苦難の時代といっても過言ではありません。
先ほど、本校の校歌を聞いていただきましたが、本来なら、本校入学式の校歌は、この場にいる皆さんにより合唱されるものであり、その合唱に新入生、保護者の皆様がたいへん感動されると聞いています。感染症対策のため、校歌は一番を聞いていただくのみとさせていただきましたことを残念に思っています。
本来歌われるはずであった校歌の三番の歌詞にはこうあります。
「たたんだ翼をひろげ 恐れずに向かっていこう
この翼が 巻き起こす風をしたがえ
世界の静まる中で 響き出す 本物のかがやきへ」
作詞していただいた山本純子先生は、「世界の静まる中」について「舞台の上も客席も、会場の呼吸が一つになるしーんとした瞬間」とおっしゃっていますが、私には今の世界の状況、音楽の翼をひろげたくてもひろげられない状況を表しているようにも感じられます。しかし、そうした中でも私たちは音楽の持つ力、人に感動や安らぎ、明日に向かう活力を与える音楽の力を信じましょう。そして、将来、翼をひろげ、風を巻き起こし、多くの人々に感動を与え、心を癒し、励ますために、日々の音楽の学習やレッスン、普通教科の学習に取り組み、自らを鍛え、向上させていきましょう。私たち教職員も「今できること」を考え、皆さんとともに一歩ずつ進んでいきたいと願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様に一言申し上げます。お子様方は、義務教育を修了され、音楽の専門教育を行う本校を選び、ご入学されました。その気持ちを大切にさせていただきながら、一方で、自立した大人として様々な判断や行動を行っていけるように、指導を行いたいと思っております。時には厳しい指導を行ったり、難しい判断を生徒の皆さんに求めたりする場面もあろうかとは思いますが、それも自立への、「本物のかがやき」への一歩を促す指導であるとご理解いただき、ご協力いただきますよう、お願い申しあげます。
75期生のみなさんが、音楽を深く愛し、自分の中にある無限の可能性を信じて、前を向いて、あらゆる困難に積極的に挑戦していってくれることを心から願い、式辞といたします。
令和3年4月8日
京都市立京都堀川音楽高等学校 校長 北村 光司