「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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6月15日(火)
教育実習生3名の先陣を切って,佐々木先生(東京藝大3年)が,2年生「ソルフェージュ(視唱)」の研究授業を行いました。
今回は,アメリカの現代音楽家ジョン・ケージ(1912-1992)の「リビングルーム・ミュージック」より第2楽章「Story」を取り上げ,多様なリズムと唱法を用いたアンサンブルを学習しました。
楽譜は,単線のリズム譜で,英語の歌詞がついています。歌い方や発声の仕方について,英語の短い指示がところどころに書いてあります。音符の下には,斜めに下がっていく矢印や,一度下がってまた斜め上に上がっていく曲線の矢印など,見慣れない記号があり,スタッカートやアクセント,強弱記号などがかなり細かく付いています。
佐々木先生は,見慣れない記号について,どう演奏するのだろうと生徒に問いかけながら,必要最低限の解説をされました。
そして,2班に分かれて,どのように演奏するか,意見交換を重ねながら練習し,自分たちはどのように表現したいのかを,短い時間でまとめていきました。
最後に,班ごとに互いの発表を聴きあった後,YouTubeで,ある演奏会での実際の演奏を鑑賞しました。アーティキュレーションやダイナミクスの豊かさに生徒たちは驚き,深い関心を寄せているようでした。
今回はたいへん短い時間でしたが,協働してひとつの音楽を創り上げる経験を通して,生徒たちは,作曲家の意図を汲み取り,なおかつ,自分たちらしい表現を追求することの面白さや大切さに気づけたのではないでしょうか。
<佐々木先生より>
生徒のみなさん一人ひとりが,楽譜に書かれた現代音楽特有の表現を考察し,グループで意見を出し合いながら意欲的に取り組んでいる様子が印象的でした。
今回の授業を通して,現代音楽の,枠にとらわれない自由な表現に興味を持ち,表情豊かな演奏表現に活かしてもらえたら嬉しいです。
<生徒Sさんより>
無声音で発音したり,口笛を用いたりする合唱は,シュールで新鮮でした。ケージの音楽は,普段私たちがあまり触れていないものなので,今回の授業で新たな音楽について知り,自分の中の音楽の幅が広がったと思います。とてもおもしろかったです!