「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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10月31日、11月2日
本校芸術顧問でピアニストの松田 康子先生にお越しいただき、2日間に渡って特別講座を開講していただきました。
1年生:ショパンエチュードの考察から
2年生:アンサンブルの学習を通して音楽について考える
3年生:時代や国、作曲家の特徴を踏まえた演奏について
それぞれの講座では、音楽を多角的に考察することについて教えていただくとともに、音楽家になるための視点について、生徒と対話形式でお話しいただきました。
中でも印象的だった言葉をご紹介します。
「演奏する際は、紙の上のべちゃっとした音ではなく、空間をどのようにしたらよいかを考えて弾かなければならない。私は、いつもそうしている。」
「作曲家が何を求めているのか、どのような音で演奏すべきかを考え、そのためにはどのような技術が必要かを考えなければいけない。普段レッスンを受ける際は、生徒各々が自分でそれらを考え、何を習いたいかを考えた上でレッスンに臨むべきである。」
「音楽家になりたいのなら、常に積極的になって、自ら発信しなければいけない。黙っていたのでは、何も伝わらない。恥ずかしがったり、他人からどう思われるかを気にすることなく、自分の考えが言えるようにならなければいけない。」
長年ドイツで生活され、演奏活動やご指導をなさっている松田先生ですが、先生の言葉の一つ一つに奥深さや経験者にしか発することができない重みが感じられ、演奏技術はもちろん、音楽家として生きていく上で必要な心構えについて、あらためて深く考えさせられた時間でした。また、先生が奏でられる音楽は非常に説得力があり、作曲家の思いを現世に伝える代弁者のようでした。
この講座で経験したことは、ピアノのみならず、全ての専攻の生徒たちの心に深く刻み込まれたことでしょう。
松田先生、本当にありがとうございました!
【松田康子先生プロフィール】
東京藝術大学、同大学院、ミュンヘン国立音楽大学を卒業。
ドイツを中心にヨーロッパ各地で定期的にリサイタル、室内楽、オーケストラ共演などの演奏活動を行うとともに、リヒャルト・シュトラウス音楽院、京都市立芸大、ミュンヘン国立音楽大学にてピアノの指導を行ったほか、室内楽やピアノの国際コンクールの審査員を数多く勤めている。
堀川高校音楽科17期卒。ドイツ在住。本校芸術顧問。