「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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3週間の教育実習も残りわずか。声楽専攻と作曲専攻の教育実習生2名の研究授業がそれぞれ行われました。
声楽専攻の実習生は13日、1~3年生約70名を相手に「合唱」の授業を行いました。題材は来月22日のオーケストラ定期演奏会で披露する、モーツァルト作曲「戴冠式ミサ」の「Credo」です。今回は「歌詞と音楽との関わりを感じ取り、曲にふさわしい表現で歌おう」というテーマでの授業でした。
実習生は緊張しながらも、時折発声の見本を示したり、「『f(フォルテ)』のところは、向こうの舞台の幕全体に届けるように。『p(ピアノ)』のところは舞台の中央の幕の隙間に響きを通すようなイメージで。」などと伝えるなど、指導に工夫を凝らしていました。
また、今回のテーマに据えた「歌詞の意味」を生徒たちが十分理解しているかを、発問を通して確認しながら、よりよい表現ができるように進めていました。
一方、作曲専攻の実習生は15日、「現代音楽の扉を開く」というテーマで3年生39名に対して「鑑賞研究」の授業に挑戦しました。
最初に、フルート・クラリネット・ヴィブラフォン・ヴィオラ・チェロで演奏する室内楽作品の演奏動画を鑑賞し、グループで題名を考えるワークをしました。8つの班からそれぞれ理由を添えて発表があり,それぞれに共通するイメージがあって理解を深めたり、各楽器の音色や表現から創造されたイメージをユニークに表現したものに感心したりしました。
ここで、実はこの作品が実習生の作曲した現代音楽作品であることが明かされ、「えーっ!」という驚きや「やっぱり!」との声が。演奏者は全員が実習生の大学の仲間であり、そのうちの2人は実習生の堀音時代の同級生であるということで、生徒たちにとって、現代音楽が急に身近なものに。
ここから、楽譜にどのように特殊奏法が書き込まれているのか、楽譜の記号の解説と映像を行き来しながら理解を深めたり、現代音楽作品で用いられる特殊奏法について知識を得たりしました。
授業の最後に「現代音楽は、演奏者が作曲者本人と対話することができる。その大切さを伝えたかった。みんなも大学に行ったら、作曲専攻の仲間から「初演に参加して」と頼まれ、現代音楽を演奏する機会が増えますよ。」と実習生。
生徒たちの現代音楽への興味や大学で音楽を学ぶイメージが、俄然、広がりました。