「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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9月11日(月)4時間目は、1年生「総合的な探究の時間」前期最終回でした。冒頭、ここまで生徒の探究活動に寄り添ってくださったTAの先生のおひとりで、京都市立芸術大学からお越しいただいている方のご自身の研究についてお話をいただきました。
その方はヴァイオリンのプレイヤーからスタートなさって、現在は音楽学専攻で市立芸大研究員をしていらっしゃいます。特にヴァイオリンの古楽器等をご専門として研究を続けていらっしゃるとのこと、現在は顎で挟んで演奏するヴァイオリンが古くは胸のところにあてるような形で演奏していたことなど、基本的な知識を動画も交えて紹介しながら、研究の醍醐味をお話くださいました。ヴァイオリン専攻の生徒を中心に、いくつもの質問があがり、一つ一つ丁寧にお答えをいただくたびに、生徒からは自然と拍手が起こりました。
次に、ワークシートを用いて、前期の振返りを行いました。課題発見から発表までをひととおり体験した生徒たちは、先ほどのTAの方の修士論文のタイトル「17世紀ドレスデン楽派の無伴奏ヴァイオリン曲における独奏書法の発展 --J. P. V. ヴェストホフ(1656~1705)の《6つの組曲》(1696)を中心に--」を自分の立てた探究課題と比べて見て、いかに課題を具体的に絞り込むことが大事かということを、感得していたようでした。
本校では今年度初めて4名のTAの先生方のお力をお借りして、授業を進めてきました。生徒への温かくも核心に迫る鋭いなげかけ、本当にありがとうございました。またTAの先生方が毎授業時間、書いてくださる報告レポートは、教員の指導や今後の授業設計に活かせるたくさんのヒントが溢れていました。重ねて感謝申し上げます。
振返りの中で、教員が「探究ってどういうことだった?」と問う場面がありました。生徒たちは初回の授業で聞いたことばをそのまま覚えて言うのでなく、自分の経験も踏まえて「答えを出すのがとてもむずかしい問いに、正しい答えらしきことを調べたり考えたりしてさぐっていく営み」と発言している生徒がいました。生徒たちの取り組む「音楽」という営みはきっと「探究」そのもの。「音楽」も「学習」も「進路選択」も、手近で安易な「答え」を求めることなく、探究的な毎日のなかで自分で納得のいく「答えらしきもの」を掴んでいってほしいと期待します。