「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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今週2回目の専攻別特設講座は、紀尾井ホール室内管弦楽団メンバーで、東京藝術大学音楽学部准教授の中木 健二氏にご来校いただき、弦楽器チェロを専攻する3年生3名、2年生1名がレッスンを受けることができました。
「私たちの都合でなく、作曲家がどういう都合なのかを考えて。」「音が下降していくのは、重力で物が落ちる自然と同じだからもともと安心感がある。だからここはより甘美に。」「弦ってどうやって響くの?YouTubeで動画があるよ」など、生徒それぞれに、表情とジェスチャーを交え、丁寧にご指導くださいました。
生徒が演奏する練習曲に、先生がご自分のチェロでそっと伴奏をつけてくださるシーンは、演奏会で素敵なアンサンブルを聴かせていただくような心持ちになるほどでした。チェロという楽器の奥深さが伝わってきました。
最後に、中木先生から、聴講していた他専攻生も含めた生徒たちに、メッセージをいただきました。その中で、入試やコンクールで正確に弾くことはもちろん悪いことではない。でも審査する側、聴く側にたってみるとそれだけでは面白くない。楽しくない。エチュードもバッハもしかり。聴く人が楽しめるよう楽しんで演奏してほしい。審査する側は、こんな解釈をするんだ、こんな熱い人がいるんだ、というような出会いを求めている。それを思っていてほしい、と心に響くお話をしてくださいました。
中木先生は京都駅から本校までタクシーでお越しくださったのですが、「堀川高校」で降ろされてしまわれ、そこから本校まで、バス2停留所ぶんの距離を歩いてきて下さった、とのことで恐縮しましたが、そのお疲れをものともせず、とても内容の濃い、生徒たちの音楽魂をゆさぶるレッスンをしてくださいました。中木先生、本日は本当にありがとうございました。