「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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本日は、1週間ほど前に行われましたPTA行事について、ご報告します。
10月7日(土)
紫野高校を会場に、京都市立高校PTA連絡協議会主催の「人権研修会」が行われ、市立高校9校のPTAの方々と教職員、あわせて約30名(本校からは4名)の参加がありました。
今年は、「ルワンダ・ジェノサイドから考える~平和な世界の実現のために、普通の人ができること~」というテーマで、元京都市立高校教諭で、ルワンダの学校を支援する会代表の服部欧右(はっとりおうすけ)先生にご講演いただきました。服部先生は、京都市立高校在職中からルワンダの学校設立支援、ルワンダ人による講演会の企画、ルワンダ虐殺に関する書籍の翻訳などに携わってこられました。
1990年代に起こったルワンダ虐殺では、フツ族が昨日まで普通に一緒に暮らしてきたツチ族の隣人・友人・知人を虐殺しました。
どうしてそんなことが起こったのか。もし自分が当時のルワンダにいたら、どんな行動が取れたのか。――そんな問いを通して、人がお互いの安心・安全を尊重し合える世の中を実現するために、私たちに何ができるかを考える機会となりました。
服部先生は、支援していらっしゃる現地の小学校で顕微鏡を使った授業をなさったときの、子どもたちの目の輝きやのどかな町や村の風景などの写真をもとに、現在の治安がよく平和なルワンダの様子をお話しくださったあと、ルワンダで大虐殺が起こるまでの過程をわかりやすくご説明くださり、ごく普通の人々がなぜ殺人行為を行うに至ったか、その残虐さを示す動画や画像もストレートにお見せになりながら、人権を尊重する意識を持ち続けることの大切さと難しさについてお話しくださいました。
かなり衝撃的な内容で、それらが、ごく普通の、さっきまで仲よくしていた隣人によって引き起こされたということに、どうしてそんなことになるのだろうかという疑問と恐怖、悲しみを深く感じました。
大虐殺が起こった大きな要因として、服部先生は、「レッテル貼り」とプロパガンダを挙げられ、流されず、何が正しいのかを考え続ける精神の自由を堅持すること、相手も自分も同じ人間であることを絶対に忘れないことを訴えられました。
質疑応答では、「子どもは新聞も読まずテレビも見ず、ネットだけしか見ていない。ネットの情報を信じ込んでいる。どうしたらいいか」との問いには、「情報の出所を押さえることが大事。ネットにしても、いろいろなサイトのニュースを見たり、そのニュースに対するコメントを色々見ると参考になる。誰がどういう立場で発信しているのかを押さえるべき。」と話されました。また、「ルワンダで起こったことは、いじめなどの身近な問題にもつながると思う。なにが正解なのかわからないときに、こどもをどう導けばいいのか。」に対しては、子どもに「自分はどう思う?」と問いかけて、まず意見を聞く。すぐに否定しないで、なぜそう思うのかと質問する。そういったやり取りの中に、自分が正しいと思うことが見えてくるかもしれない。」とご示唆くださいました。
ご家庭でも、様々な話題をもとにお子様といろいろなお話しをしていただき、お互いを尊重し合い、お互いに気持ちよく過ごしていける場をつくる大切さについて理解を深めていただければ幸いです。
【写真上】服部先生のご講演
【写真中】質疑応答
【写真下】謝辞