「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
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10月20日(金)
本日は、本校の創立記念日です。
昭和23年10月20日に、京都市立堀川高等学校の音楽課程として誕生し、公立としては全国初の音楽課程となりました。
「堀音」の誕生には、ずっと昔からの長い物語があります。今日はそれをかいつまんでご紹介しましょう。
京都市には大正のはじめから市立絵画専門学校(現京都市芸大の前身)があったのに対し、市立の音楽専門学校はながらくありませんでした。
昭和のはじめごろから音楽文化の普及にともなって、京都市民の間で様々な音楽団体の活動や音楽的教養の高まりなどがあり、昭和10年代ごろには京都から東京音楽学校(現東京藝大の前身)に多数の学生が入学するようになっていました。市民の音楽鑑賞力も養われていたそうです。そんななか、音楽専門教育機関を求める声も高まっていました。
戦争をはさんで、昭和23年、京都市が“全国で最も進歩的な形態をもって新しい音楽教育を推進している”とされ、ついに新制高等学校への音楽課程設置案ができあがるまでになりましたが、なんと市会では認められませんでした。終戦後の財政難が要因です。
もどってその前年、全国の小・中学校での器楽教育の開始が決まり、大量の太鼓やタンバリンの製造が必要でしたが、当時、材料となる獣皮が手に入らず、代用品として、西京極の日本クロス工業株式会社が発明し三味線に張られていた「絹皮」が採用され、日本の器楽教育の普及発展の一翼を担いました。その後、京都市の器楽教育は全国で最も高い水準を誇り、特に錦林小リズム・バンドや上京中吹奏楽団は優秀で、堀川高校音楽課程(現本校)を経て、一流の奏者となった者が数多くいます。
話が前後しましたが、この日本クロス工業株式会社からの多額の寄付により、財政上の問題が解決し、音楽課程の設置が内定するに至ったのです。
昭和23年10月20日、新制高等学校として京都市立堀川高等学校が誕生し、普通課程・商業課程・家庭課程・音楽課程の4課程が置かれました。全国初の公立の音楽課程として、声楽、器楽(ピアノ・弦楽・管楽・打楽)、作曲の3専攻で始まりました。その後の本校の歩みは、「学校沿革史」をご覧ください。
創立から75年。約2,700名が巣立ち、世界中で卒業生が活躍しています。
多くの人々の努力と熱意、ご理解とご支援によって、今の本校があります。
すべての皆様への感謝を胸に、教職員・生徒一同、堀音をますます発展させるべく、努力を続けてまいります。
【写真】堀川高校開校当時(玄関前)