「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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6月24日(月)3、4時間目
「人とつながる音楽家」シリーズ、今回は人権×キャリアの取組として、ウクライナ・チェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団常任指揮者、東京混声合唱団指揮者などとしてご活躍で、関西大学客員教授、大阪芸術大学演奏学科客員准教授などをお務めの、本校46期卒業生 高谷 光信 先生にご講演をいただきました。タイトルは「音楽と世界と平和と」。生徒たちの事前学習の様子は、以前このブログでもお知らせしたとおりです。
ウクライナの過去と現在、そして未来を、音楽家の視点からお話しする、と前置きされ、「チャイコフスキーは好きですか」と問われました。ウクライナでは今チャイコフスキーはじめロシアの作曲家たちの音楽は演奏されない状況であることからお話が始まりました。
堀音時代、当時姉妹校であったルイセンコ音楽院との交流を通して出会った、ウクライナに魅了されて、何の伝手もなくキーウに渡り、文字通り音楽院の「ドアを叩いて」入学試験をお願いなさったお話。師や友、オーケストラとの出会い。スラブ音楽への熱い思い。2014年マイダン革命時に演奏会をなさったときのウクライナの人々と先生の思い。先生ご自身が撮影されたバリケードやキャンプの写真も交えての、その日のドボルジャーク「新世界より」第4楽章の演奏動画。2022年2月、日本にいらした先生がロシアの侵攻を知ったときの感情、そして何をすべきかの葛藤と決意…。SNSで発信を始めたが、メディアの対応の準備がなく、手ひどくバッシングを受けたこと。オーケストラのメンバーが楽器を兵器に持ち替えて戦地に赴いている写真。ウクライナが音楽・芸術と戦争を一緒にしてしまってロシアの音楽を奏でないことへの悲しさともどかしさ。メンバーが揃った状態ではないけれど、人々に癒しや活力を与えるべく開催している演奏会でスメタナのモルダウを演奏しているチェルニーヒウフィルの演奏動画…。そしてロシアにも自分の友がいる。ロシアにも善良な市民がいることを忘れてはならない。最後は以前、高谷先生指揮でチェルニーヒウフィルがラフマニノフの交響曲第2番を演奏している動画で締めくくってくださいました。「自由」という言葉を、重みをもって、何度も何度も使われたことが印象的でした。
生徒たちからのいろいろな質問に答えてくださったご回答は、後輩たちへの愛情にあふれたものでした。「今この恵まれた環境で、音楽への強い気持ちを持って、しっかり基礎を勉強して、“一流”になろう」「自分にとって厳しいと思う先生に講評を求めること」「自分の目で見ること、五感で感じることを信じよ」「わからないこと迷うことのモヤモヤストレスを大事にして考え続けよ」などなど。
生徒代表のお礼の言葉【写真2枚目】、花束贈呈に続いて、校歌3番を3年生ピアノ専攻の生徒の伴奏で高谷先生に届けました【写真3枚目】。記念撮影【写真5枚目】でできた輪の中で、指揮専攻の生徒が、くいさがって質問したこと【写真4枚目】も喜んでくださいました。
高谷先生はもちろん、教職員はじめ、生徒たちを見守る多くの大人が、音楽と生徒たちと未来に、期待と希望を寄せて届けた貴重な時間でした。