「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
TEL. 075-253-1581 FAX. 075-213-3631
先週7月11日(木)、今年も本校31期卒業生の佐渡裕先生が、オーケストラ定期演奏会を間近に控えた生徒たちに、ご指導を受ける機会をくださいました。音楽科教員のアナウンスで、指揮台にあがってくださった先生は、すぐに今年のオケ定でメインのプログラムとなる、チャイコフスキー作曲 交響曲第5番 第1楽章を振り始めてくださいました。一瞬でホール全体の空気が変わるのを感じました。
演奏する生徒以外も客席で授業を受けました。ステージも客席の生徒も、みな、佐渡先生のダイナミックで繊細な指揮に魅了されていきました。また、この特別授業を本年度1回目の授業参観に設定し、多くの保護者の方々にもお見守りいただきました。暑い中、ご来校くださった保護者の方々に御礼申し上げます。
「休符を明確に。四分音符分の長さをちゃんと。」「小さい幅でも確実にクレッシェンドとディミニュエンドを」「シンプルな作りの中に、新しい音が出てきたら考えて」「ピアノだけどオケの中で浮き出てくるように」「ここは芯がないほうがいい。現実逃避な感じ」「音がにじんでくるように」「ティンパニとベースの関係を見ておこう」など、楽譜を読み込むことやこの曲のチャイコフスキーらしさを、具体的にエネルギッシュに、ご指導くださいました。指揮をなさりながら、声に出してたっぷりとお歌いになる音楽も、生徒たちをリードしてくださるように思えました。生徒たちは集中力を発揮し、先生の指揮や言葉でのご指導によく応えて、演奏がぐんぐんと変容していきました。大先輩にくらいついていく生徒たちの気迫が感じられました。
第4楽章までご指導くださった約2時間は、あっという間でした。その後、生徒からの質問にお答えくださいました。ピアノ専攻2年生の質問へのお答えの中で、来年、阪神淡路大震災から30年、日本の“終戦”から80年を迎えることについて、先生がどのように音楽の力で関わっていかれているか、また、地球の裏側で起こっている紛争などにも触れ、人と人が一緒に生きて未来を見ていくこと、音楽が豊かに奏でられることの意味をお話しくださいました。
代表生徒(3年生オーボエ専攻)が、先ごろ文部科学大臣表彰を受けられたことのお祝いを含めてお礼の言葉を申し上げ、3年生のコンサートミストレスから花束を贈呈。最後に、生徒全員の校歌3番合唱を聴いていただき、感謝の気持ちを伝えました。「感動した!すばらしい!」と感想をおっしゃっていただけたことは、嬉しいことでした。
国内外でたいへんなご活躍で、超ご多忙の佐渡裕先生が、毎夏母校である本校に帰ってきてくださることは、とても贅沢なことで、決して「当たり前」ではありません。諸先輩方がつなげてきてくださった、堀音らしいつながりのおかげです。「堀音が好きだから来るんです。」という先生のお言葉を心に置いて、堀音生らしく、仲間とともにひたむきに音楽に向き合う堀音でありたいと思います。