「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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7月17日(水)「人とつながる音楽家シリーズ 杉本 優氏(60期)をお迎えして」を実施しました。杉本先生は、現在ブレーメン歌劇場を拠点に、指揮者として、また、ピアノ奏者として、ヨーロッパを中心に大活躍の先輩です。指揮者としてオーケストラ定期演奏会の曲目全てをご指導いただいたほか、今回同行なさっている同歌劇場のバリトン歌手、ギョンソク・ハン氏とのミニコンサートでは、ピアノ専攻の卒業生として、ピアニストの姿もご披露いただけました。
杉本先生は、今回のオケ定でメインを含む2曲を指揮する音楽科の教員と堀音の同期。生徒たちの先輩である2人が、「ここはどうしたい?」「わかるわかる」とやりとりをなさったり、遠慮なさることなく教員と指揮を交代してご指導くださり、教員がそれを受け入れ、謙虚に学んでいる姿勢を見せたり、音楽の技術だけでなくたくさんのことを感じ取れる時間であったように思います。
プーランクのグローリアは、合唱の生徒たちも、杉本先生、ハン先生両者からたくさんのアドバイスをいただけました。ハン先生のピアノ伴奏では、オペラの相手役の歌も弾きながら歌ってくださり、全身で音楽を表現なさる熱い姿を見せていただきました。ハン先生との会話はドイツ語。杉本先生が訳しながら、生徒たちに伝えてくださいました。
午前中のプログラムが終ったところで、生徒代表がお礼の言葉を伝え、お礼の気持ちをこめて、校歌3番を全員で合唱しました。初めて本校の校歌を聞いてくださったハン先生は「今考えられる中で、一番素晴らしいプレゼントをもらった」と感動してらした、と杉本先生が教えてくださいました。
お昼休みをはさんで、オケはホールにて杉本先生の情熱的なご指導のもと練習を続け、204教室では、ハン先生の声楽公開レッスンが行われました。受講生は、2年生男子の声楽専攻生3名。声楽やピアノ専攻の生徒たちがたくさん聴講しました。ヨーロッパの歌劇場専属歌手からレッスンを受けられるチャンスはめったにありません。3人とも、最初は緊張が見られましたが.ハン先生が、それぞれの良いところを褒めながらも、イタリア語の正しい発音による発声を、丁寧にご指導くださいました。レッスンは英語で行われ、英語科の教員の助けを得ながらも、コミュニケーションをとっていました。「感情豊かな表現がしたいのですが、どのようにすればいいでしょうか。」といった受講生からの質問を受けて、歌詞の意味を答えさせながら、「それをそのまま伝えればいいんだよ」と表情豊かに歌ってみせ、次に隣でいっしょに歌い、と受講生をどんどんその気にさせて、乗せながら、見違えるような表現を引き出してくださいました。明るくエネルギッシュなハン先生のお言葉と表情と歌声、そして魔法のようなご指導に魅了され、興奮したひとときでした。
ヨーロッパの音楽シーンの最前線でご活躍のお二人の、堀音生への愛情と期待のこもった熱いご指導を得られた贅沢な時間の最後には、全員がホールに集まり、お二人に花束を贈呈しました。60期の方々が杉本先生にお会いするため、何人もいらして再会を喜びあっていらしたのも、堀音ならではの強い結びつきを感じる光景でした。
オーケストラ定期演奏会まで残すところあと3日。今日の学びをしっかりと自分たちのものにして、皆さまに自分たちにできる限りの演奏を心を込めてお届けすることでしょう。