「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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安良岡章夫先生(東京藝術大学教授)をお招きし、「自作を語る~近作を中心に」と題した講座を実施しました。採り上げていただいたのは、ブルレスカ~金管5重奏と打楽器のための(2015)と、デカルコマニー2~2人のヴィオラ奏者のための(2016)です。それぞれの曲に対する先生のアイディアとその実現方法などをお話しいただきました。その中で、響きの違いを意識する訓練や、奏者との関わりが重要であるということ、フェルマータを多用することの意味など、有用なお話をたくさん伺うことができました。その後、DVDや楽譜を見ながら音楽を聴かせていただきましたが、先生の紡がれる音楽の、色彩の豊かさ、楽器の短所とも言えるような制約を逆に活かしきって生まれる多様な響きに触れ、新鮮な驚きを感じているようでした。解説して頂いた直後に音楽を聴くことで、音の遠近感を生み出すための創意と、理知的な構成によるテンションの変化やその効果を、ホットに、身近に感じられました。
高校生のみなさんの日々の勉強が、ここにまで繋がってくるとはなかなか想像しにくいことかもしれませんが、先生と同じ机を囲み、本物の作曲家の活動に触れて、目指すべき方向や姿が立ち現われてきたと感じていると思います。音楽のキャリアは長い人生をかけて取り組むものです。みなさんはまだそのほんの入口。その時期にこのように貴重な機会を持てた幸運に感謝したいと思います。安良岡先生、熱いご指導を賜り本当にありがとうございました。