「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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9月10日(火)3・4時間目、2年生の「芸術文化探究」として、「筝曲(そうきょく)・尺八講座」を本校音楽ホールにて開催しました。
本校の「日本音楽史」の授業をご担当いただいている、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター准教授、武内(たけのうち)恵美子 先生のコーディネイトで、筝の 中川 佳代子 先生、尺八の都山流 森田 柊山 先生 を講師にお招きしました。
3時間目。
講師の先生方のご紹介のあと、まず、武内先生が、中国の古い伝統楽器である古琴をお持ちくださり、筝との違いをご説明くださり「平沙落雁」という曲を演奏してくださいました。ともに中国で生まれた絃楽器ですが、古琴は7弦で柱(じ)がなく、左手の指で絃を押さえて右手の指で琴爪をつけずに弾きます。長さは130cmほどで筝よりだいぶ小型、音も小さいです。
続いては、筝と尺八それぞれについて、各先生より、楽器の構造や音の出し方のご説明のあと、筝は「六段」を、尺八は「鶴の巣籠」を演奏くださいました。先生方は、生徒たちが日頃学んでいる楽器やクラシック音楽の用語も使いながら、共通点や相違点、特徴を興味深くお話しくださり、締めくくりに誰もが知る「春の海」を演奏してくださいました。「春の海」は、宮城 道雄(筝曲家・作曲家)が西洋音楽語法で作曲した、筝と尺八のための邦楽作品です。だれでもお正月にきっと聴いたことがあるでしょう。演奏が始まると、一気に雅な雰囲気に包まれ、皆、いい気持ちになりました。
4時間目。
いよいよ、筝と尺八に分かれて演奏体験をご指導いただきます。
筝チームは、椅子に腰かける形で二人一組で筝に向かい、交代しながら演奏に挑みました。段階を踏みながら、中川先生のご指導によくついていき、「さくらさくら」を練習しました。
筝は、奈良時代に中国の唐から伝えられた13弦の楽器で約180cm。柱(じ)と呼ばれる可動式の短い支柱が弦と胴の間にあり、音程を調節します。右手の親指・人さし指・中指にはめた「つめ」で弦をはじいて音を出しますが、今回は山田流で「角づめ」を使いました。皆楽しそうに弾き、終わるのが名残惜しそうでした。
尺八チームは、一人ひとり尺八を受け取って、横一列に並んで手ほどきを受けます。
「発音の原理はリコーダーと同じ。唇の形と息の方向が正しければ、必ず音は出ます。」と励まされるのですが、これがなかなかうまくいきません。一生懸命息を吹き入れるので、しんどくなって座り、休み休み取り組む生徒も。…ところが、例年よりもはやく、コツをつかんだ生徒が次々と出て、授業の最後には「たこたこあがれ」の合奏にもトライできました。特によく吹けたのは、管楽器専攻や声楽専攻の生徒たち。さすがです。こちらのチームも、もっとやりたかったのにと、残念そうな様子でした。
生徒たちは、今回の講座に「問い」をもって臨むよう、事前学習をしています。今日の受講中には、友達同士で各自のiPadで演奏体験の様子を撮影しながら、筝チームは、つめのはじき方や姿勢、左手の抑えの加減など、尺八チームでは、最適な息の方向や持ち方の角度などを、お互いにチェックしあっており、その映像・画像を含めて、受講後に各自の「問い」に対する考察をワークシートにまとめることにしています。自分の体験した楽器の演奏について、もう片方のグループの生徒にその面白さが伝わるようなレポートを期待しています。
武内先生、中川先生、森田先生、ご準備から本日のご指導まで、本当にお世話になりました。生徒・教員とも、たいへん貴重な学びをいただけましたことに、心より感謝申し上げます。
なお、筝10面は、武内先生のお手配で、京都市立芸術大学からお借りすることができました。本当にありがとうございました。