「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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10月9日(水)15:30より、音楽ホールにて、ピアノ特設講座2を行いました。
今回の講師は、京都市立芸大専任講師の高木竜馬先生です。ピアノ専攻3年生のうち3名が、ショパンのスケルツォ第4番ホ長調作品54、リストのバラード第2番ロ短調、スクリャービンの幻想曲ロ短調をそれぞれレッスンしていただき、それを多くの生徒が聴講しました。
高木先生は、それぞれの曲に応じて、楽譜を読み込み細かくとらえていくことや、物語などから着想を得て作られた曲であれば、その世界観を大切にすることも一つの方法だということ、また、独自の特徴をもつ作曲家の作品であれば、それに応じた弾き方というものがあることなどを、巧みな言葉の表現によってイメージを的確に伝えたり、また、隣で弾いて音を聴かせてくださることによって、その音色や表現の目指すところをダイレクトにお示しくださったりしました。
3人に共通していたのは、曲全体をどう弾いていくのか、「設計図」を描いて演奏していくことの大切さでした。「パッションはすごくあるけれども、まだここでは、その後の展開を意識して、音をつくりすぎない方がいい」、「ラインを描いて、そこに到達するように地図を描いて」「ここからは、より劇的なストーリー展開をしてもいい」など。
また、「素敵な1日の始まりの朝。少しずつ世界が色づき始める。花々が咲いていく。そのグラデーション」「会いたいけれどもう会えない大切な人との一番大切な思い出。それがよみがえってくるけれども、その人に会えない悲しみ」「神殿がパーンと建つような」など、映像を見るかのようなイメージ豊かな表現で、インスピレーションを与えてくださると、生徒のピアノがどんどん変わっていきました。
さらに、「私はピアノでもビブラートがかけられると信じている。指先に念をこめてちゃんと打鍵する。」「どんな音を出したいか、腕や手首など全部をつかって弾く。」「ここのテヌートは肘をつかって」など、技術的なご指導も丁寧にしてくださいました。
予定の時間を超過していましたが、最後に、生徒からの質問にもお答えいただきました。ある生徒は指が第1関節についての悩みを言うと、実際に打鍵させてアドバイスをくださいました。
名残惜しくて最後まで残っていた生徒たちは、高木先生を囲んで、記念写真を撮っていただきました。
レッスンを受けた生徒も聴講した生徒も、また、教員たちも、高木先生のピアノとご指導、数々のお言葉に感銘を受け、たいへん素晴らしい時間を過ごさせていただきました。
高木先生。長時間にわたり、本当にお世話になりました。
ありがとうございました!